好奇心の横断歩道を創る!

自分の思考をラバーダック・デバッグするためのブログ

「役に立っている人ほど高収入になる」という主張の問題点を整理

「人は金を払ってもいいと思うからこそ金を払う。ので、役に立っている人ほど高収入になる」という主張の問題点を整理

 

・金を払う人にとっては役に立っている(あるいは役に立ちそうだと期待されている)かもしれないが、社会全体でみて役に立っているかどうかは全く別問題

・人は欲求を満たすために支出する。ここまではおそらく正しい。問題はこの後。欲求を満たすための最初の支出Pと、Pから2Pの支出がもたらす「価値」は違う。 さらには、欲求には事実上、満たすべき優先順位がある。要は、支出金額と提供される「価値」は別物である。

・金を払ってもいい、という気持ちは、便益・利得・効用のみならず、社会的な圧力・情報の伝達ルート・権力構造・個人の習慣・支払い手の資金的な余裕具合などからも強く影響を受ける。何なら、「金が欲しくて働いてるんじゃないから、金銭報酬を受け取ることに積極的ではない人」までいる(ボランティアする人とか、商用でもないのにフォロワー欲しさにお役立ち情報をSNSに投稿する人とか)。

 

「役に立つと評価されたからこそ金を受け取る」が精度の高い説明になれるほど、事実は単純ではない