前提と思想
この記事の世界観は、以下の記事と共有されているつもり
欲求は、必要性を満たすため発生する。食欲という名の必要性を満たすためには食欲を満たすための支出が必要で、睡眠欲や性欲を満たすための支出が食欲を満たすことはできない。
異なる必要性の間で、商品は代替不可能であり、必要性は満たすべき順序の優先順位で階層構造を作っている。基本的な必要性がある程度満たされるまでは、発展的な必要性のために支出することはない。
以上のような考え方に基づき、「任意の必要性を満たすための支出」が「支出の総額」とどのような関係にあるか を考える。
モデル①
変数と関数の定義
必要性:w = 1,2,3,...,W
必要性への支出額(内生変数):
必要性の充足感(内生変数):
必要性の、支出額基準で見た充足のしやすさ(パラメータ):
必要性の「重要さ」(パラメータ):
その人の支出総額(外生変数):
生活水準(内生変数):
必要性wの生活水準への寄与度(内生変数):
充足感の変化
必要性wへの支出がからに変化したとき、充足感の変化量はである。支出配分金額を変化させたときの生活水準の変化は、である。
必要性の充足感の関数をとしたのは、必要性への支出金額と必要性の充足感の関係をそれっぽく表しつつ、後々の計算が簡単になるような関数を選んだ結果。必要性の充足感は、上に突の単調増加関数で書かれ、支出額が無限大の時に充足感が1に収束する。
生活水準の変化
支出額配分の変化が生活水準の変化に与える影響は、
である。支出の総額において最も生活水準が高いの組み合わせを常に選択し続けるものと仮定すると、が上に凸の単調増加関数であることから、
の必要がある。
支出額で微分してみる
各必要性への支出配分金額を微小変化させたときの、生活水準の微小変化を考える
これがすべての必要性wについて等しい値を持つ。
ちなみに、のとき、をについて解くと、である。との間の関係は、比例関係となる。後ほど触れるように、とがともに0以上であれば。wの集合の要素が3つ以上の増えても、このような比例関係は変わらない。
パラメータと外生変数が与えられたとき、内生変数を計算する手順
外生変数である支出総額Pが与えられたとき、を使って、支出配分額とが決定する。は、生活水準と、
という関係を結ぶ関数。この関係を積分形式で書くと、である。
支出配分金額pwは0以上
ところで、消費者は消費において常に支払う側だから、である。からなる連立方程式を解いた結果、にマイナスの解が含まれた場合、マイナスになった必要性wへの支出が0であると解釈し、必要性wを存在しないものとして、再度、連立方程式を立てて解く。これを、になるまで繰り返す。
結果グラフ
必要性の条件を変えつつ、すなわち(大文字W, , )の値の組み合わせを変えつつ、支出合計金額をx軸にとり、
• それぞれの必要性に割り振られる支出額 (y 軸)
• それぞれの必要性に割り振られる支出額の割合 (y 軸)
• 生活水準 (y 軸)
• 各必要性の充足度 (y 軸)
をプロットする。P→pw→A(P), L(P), fw(pw)という計算を、の条件を満たしつつ行うことが、数学的にも技術的にも私にはできなかったので、下のプロットはことごとく折れ線グラフ。近似曲線としての精度は結構高いはずだけど、あくまで参考程度に。
パラメータ
W=5
I1=100
I2=100
l3=10
l4=10
l5=3
α1=20
α2=2
α3=5
α4=10
α5=50
なんとなく、w=1=食欲, w=2=睡眠欲, w=3=性欲, w=4=衣欲, w=5=趣味欲 のつもり
「支出合計金額」と「それぞれの必要性に割り振られる支出額」の関係
支出総額が小さいときは、「大切さ」が高い必要性への支出が先行して伸びる。
すべての必要性が満たされると、それぞれの必要性への支出配分額は直線的に増えていく。
「支出合計金額」と「それぞれの必要性に割り振られる支出額の割合」の関係
w=1が食欲だったら、青線はエンゲル係数に該当する。
「各必要性への支出額」と「生活水準への寄与度」の関係
「支出合計金額」と「生活水準」の関係
「支出合計金額」と「各必要性の充足度」の関係
モデル②
変数と関数の定義
必要性:w = 1,2,3,...,W
必要性への支出額(内生変数):
必要性の充足感(内生変数):
必要性の、支出額基準で見た充足のしやすさ(パラメータ):
必要性の「重要さ」(パラメータ):
その人の支出総額(外生変数):
生活水準(内生変数):
必要性wの生活水準への寄与度(内生変数):
充足感の変化
必要性wへの支出がからに変化したとき、充足感の変化量はである。支出配分金額を変化させたときの生活水準の変化は、である。
必要性の充足感の関数をとしたのは、必要性への支出金額と必要性の充足感の関係をそれっぽく表しつつ、後々の計算が簡単になるような関数を選んだ結果。必要性の充足感は、上に突の単調増加関数で書かれ、支出額が無限大の時に充足感が1に収束する。
生活水準の変化
支出額配分の変化が生活水準の変化に与える影響は、
である。支出の総額において最も生活水準が高いの組み合わせを常に選択し続けるものと仮定すると、が上に凸の単調増加関数であることから、
の必要がある。
各必要性への支出額の決め方
各必要性への支出配分金額を微小変化させたときの、「生活水準への寄与度とαの積和」の微小変化を考える
これがすべての必要性wについて等しい値を持つ。
ちなみに、のとき、をについて解くと、である。との間の関係は、比例関係となる。後ほど触れるように、とがともに0以上であれば。
パラメータと外生変数が与えられたとき、内生変数を計算する手順
外生変数である支出総額Pが与えられたとき、とを使って、支出配分額とが決定する。は、生活水準と、
という関係を結ぶ関数。この関係を積分形式で書くと、である。
支出配分金額pwは0以上
ところで、消費者は消費において常に支払う側だから、である。からなる連立方程式を解いた結果、にマイナスの解が含まれた場合、マイナスになった必要性wへの支出が0であると解釈し、必要性wを存在しないものとして、再度、連立方程式を立てて解く。これを、になるまで繰り返す。
結果グラフ
必要性の条件を変えつつ、すなわち(大文字W, , )の値の組み合わせを変えつつ、支出合計金額をx軸にとり、
• それぞれの必要性に割り振られる支出額 (y 軸)
• それぞれの必要性に割り振られる支出額の割合 (y 軸)
• 生活水準 (y 軸)
• 各必要性の充足度 (y 軸)
をプロットする。P→pw→A(P), L(P), fw(pw)という計算を、の条件を満たしつつ行うことが、数学的にも技術的にも私にはできなかったので、下のプロットはことごとく折れ線グラフ。近似曲線としての精度は結構高いはずだけど、あくまで参考程度に。
パラメータ
W=5
I1=100
I2=100
l3=10
l4=10
l5=3
α1=20
α2=2
α3=5
α4=10
α5=50
なんとなく、w=1=食欲, w=2=睡眠欲, w=3=性欲, w=4=衣欲, w=5=趣味欲 のつもり
「支出合計金額」と「それぞれの必要性に割り振られる支出額」の関係
「支出合計金額」と「それぞれの必要性に割り振られる支出額の割合」の関係
「各必要性への支出額」と「生活水準への寄与度」の関係
の値が等しいw=1,2とw=3,4は重なっている。
「支出合計金額」と「生活水準」の関係
「支出合計金額」と「各必要性の充足度」の関係
の値が等しいw=1,2とw=3,4は重なっている。