そもそも、我々は価値を評価するために支出するのではなく、欲求を満たすために支出するのだから、価格と価値に関係がなかったり、価格と価値に逆相関があったとしても、不思議ではない。
なぜ、社会に必要な仕事ほど収入が低い傾向があるのか。ここでは、バークソンのパラドックスの力を借りて説明する。
すなわち、
①役に立たないし稼げない仕事は残らない
②役に立つのに稼げない仕事は需要があるから残る
③役に立つ上に稼げる仕事も残る
④役に立たない(場合によっては害のほうが大きい)仕事であっても稼げさえすれば、市場原理主義的な側面の強い現代社会では生き残る
結果、役に立つ仕事ほど稼げない、という相関が出現する。のかもしれない。
「役に立つ仕事ほど、社会維持のために重要な仕事ほど、なぜか稼げない現象」を、説明する視点の一つにはなりそうだ。確たる証拠はないけれど。