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これだから経済学は使えない。制度と経済や金融の安定した成長が、自身の不安定性の原因になる

経済学は使えないシリーズ一覧

 

 

経済は本質的に不安定である。それは、根本的には、

・人の期待が不安定で、当初の予測を裏切る形で行動することも多い。ロンドンの心理学系のシンクタンクが仮に人間行動をかなり精度良く予測できたとしても、その予測はまだ市民権を得ていない

・経済が慣習や技術などいたるところで不可逆な変化を繰り返しており、その変化の行く末を、我々は正確には予測できない

といった理由からだ。経済の不安定性について語るとき、金融が経済に与える影響の大きさを無視することはできない。金融の発達のおかげもあり、近現代の資本主義は発達した。しかし同時に、資本主義経済や市場経済は、金融の発達によって不安定性を増大させたのかもしれない。経済の不安定性についての議論を私なりにまとめたページを、下に貼っておく

rokabonatttsu.hatenablog.com

市場は非市場的な仕組みによって支えられており、その時々の状況に合わせて、規制・制度を整備することで、市場とそれを形作る人々の判断が本質的に内包している不安定性を、緩和させることができる。それは、一言でいえば、大きな政府が好ましいという言い方になるのかもしれない。まぁ、どんな基準で何を比べて大きいのかって話ではある。曖昧なニュアンスの言葉だ。私はあまり使いたくない。

市場が持つ本質的な不安定性にどのように対応することができるのか?市場が非市場的な仕組みによって支えられているとは?そのあたりの詳しいことを知りたければ、こちらの本がおすすめかも。

bookmeter.com

 

 

経済学がしばしば行う「市場は均衡に向かってその状態を収束していくので、市場の外で起こるショックがなければ安定化に向かうものだ」などといった想定は、市場が非市場的な仕組みの上で機能しているという現実を軽視しすぎだ。経済学は非市場的な仕組みとセットで市場の性質を説明しなければならない。市場の外からの影響をなんでもショックだと片付けるのは、職務怠慢だ。そもそも経済学が時間の概念を無視した理論体系を作り始めた時から、「市場の外で起こるショックがなければ安定化に向かう」という信仰は始まっていたのだろう。知らんけど。

 

 

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