好奇心の横断歩道を創る!

自分の思考をラバーダック・デバッグするためのブログ

SFCモデルの、行動方程式・定義式・パラメータ・期待値についてのアイデアをメモする場所。

考えを堂々巡りさせないためにも、どこを歩いてきたのかを記録しておく。純粋に自分のために書いている

 

AB-SFCモデルで満たしたい性質について(定型化された事実みたいな話)

モデルが下の多くを再現するなら、それは良い出来のモデルだと評価できるんじゃねぇの?っていう判断基準の話。よく言われるものの他に

・製造業が成長すれば、GDPは大きく成長するカルドア=フェルドーン法則(製造業が収穫逓増則を示しがちだから、ってやつだと思う)

 

GDP成長率と製造業雇用成長率の正の相関関係、及び、GDP成長率と非製造業雇用成長率の負の相関関係。年率の話だと思う

 

稼働率を特定の水準で維持しようとする

 

・株価は、現時点で上がれば、その後しばらく平穏化する傾向にあり、現時点で下がれば、近い将来変動がより活発になる傾向がある 曖昧。要確認

 

・横断的な意味で、限界消費性向は0.4から0.8程度。年によって0.4から0.8もばらつきがあったとの意味であれば、推定には線形のモデルを使ったものだと思われる。多分、横軸=所得,縦軸=消費の散布図をなんかしらの曲線でフィッティングして、傾きを所得の関数として表したときに、0.4から0.8の範囲で推移するってことなのかな?。初め思考停止してて気にならなかったので確かめていない。要確認

マクロの消費の推移の意味では、限界消費性向は0.9程度だったらしい(多分アメリカ?)

 

・2週間の株価の変動率の分散が、最初の1週間の株価の変動率の分散の3倍程度になる。(効率的市場仮説だと、

1,中心極限定理を適用できる原理で株価が変動するって前提、つまり経路依存性がなくて独立に発生する確率的イベントがそれぞれ独立に株価に影響を与え、未来の確率的イベントが確定した時点で期待値が動くという前提
2, 2つの正規分布のたたみ込み積分が、正規分布になる。結果の正規分布の分散は、元の2つの正規分布の分散の和になる

ことと合わせて、ちょうど2倍になるべき。3倍になっているということは、直前で下がった時は次も下がりやすい、または、直前で上がった時は次も上がりやすい、またはその両方が起こることを示唆している

 

時価総額・所得分布・売上・雇用人数が、現実的な分布(大きい領域はべき乗測の分布、大きくない領域は対数正規分布をとるという説が、2023年8月29日時点の自分の中では有力。確認中。)をとる

 

期待値について

ここでは、内生変数の期待値に、理論的な背景やほかの変数を使ったもっともらしい表現方法が見当たらない場合、その内生変数の期待値をどのように定義するかについて考える

自分が過去に読んだ論文では、といった感じで書かれていた。これだと、指数関数的な変化のトレンドの渦中でどのように期待するかについての直感と、ずれが大きいような気がする。それから、自分の直感では、内生的な景気変動やバブルを扱いたいときにこの差が重要になるような気がする。

下の試行は、既存の理論と整合性がとれるかどうかを無視している。経験とどの程度一致するのかも知らない。アドホックだとか一時しのぎだとか言われれば、全くその通りだと思う。自分の直感がGoサインを出しただけ。

試行①

g(n)に適切な関数を与え、任意の内生変数X(t)の期待値X^e(t)を、

(連立方程式の{をLaTeXでどう書くかわからなかった。)

と計算する。すると、Xの過去のトレンドが指数関数的に増加or減少しているとき、未来もそうなるだろうと予測してX^eが計算される。トレンドの評価は、近い過去の影響を大きく、遠い過去の影響を小さく反映するべき(言い換えればg(τ+1) > g(τ))

X^e(t)は、線形写像できるような定義になっている(g(τ)やU(t)は、X^e(t)が線形写像になるような関数形を選ばなければならない)ので、(X1+X2)^e = X1^e+X2^eとできる。

N=5でシミュレーションを回してみたところ、g(τ)=τ^αはαの値次第では適格になりうる、g(τ)=β^τはβの値次第で適格になりうる。

g(τ)=τ^αはαの値の選び方まで特定しないと使えない。g(τ)=τ^αの形だと、αを0から∞に動かしてもU(t)の取りうる値が狭すぎて期待がトレンドについていけない現象が起こる。うまくいく場合もあるが、g(τ)=τ^αは不採用。パラメータα>0の調節を通じてg(τ)が0<g(τ)<∞をとれるような関数形が欲しかった。

g(τ)=β^τはβの値の選び方まで特定しないと使えない。βを解くことはできなかった。近似値を求めるアルゴリズムは、Uが0より大きい時と小さいときに起因する条件分岐が複雑すぎて、実装が難しすぎた。うまくいくときもあるけど、エラーを吐くときもあるので、g(τ)=β^τのβの値の近似値を求める方法は不採用。

パラメータの調節を通じてg(τ)が0<g(τ)<∞をとれるような関数形が欲しかった。g(τ)の良い関数を探す。

試行②

期待値の計算に過去何期分のXを使うかを表すパラメータTを使って、

でX^e(t)を計算する。すると、Xの過去のトレンドが指数関数的に増加or減少しているとき、未来もそうなるだろうとの予測を織り込んでX^eが計算される。トレンドの評価は、近い過去の影響を大きく、遠い過去の影響を小さく反映している。

X^eは線形写像じゃない。ので不採用。

試行③

X^e(t)を線形写像にするには、試行①と同じく、

X^e(t) = XとX^eの線形結合 + U(X, X^e, t)

U(X, X^e, t) = XとX^eの線形結合

が必要条件だと思う。

線形写像にしておかないと期待値同士の整合性が取れなくなる( (X1+X2)^e = X1^e+X2^e じゃなくなる)ので、X^e(t)は線形写像じゃなきゃイヤ。指数関数的な増加・減少を経験しているときは期待値もその傾向の延長線上にないと不自然。

妥協で

を使うか?

一応、線形写像で、指数関数の接線みたいな立ち位置。過去T期分の影響を受けつつ傾きに直近の影響を強く反映するように工夫するなら

あるいは

最後のが一番良いかな。

α>1、αが大きいほど直近の傾向を重視する

X(t)=X^e(t)で推移すると、指数関数的な増減ではなく線形の増減になる。SFCモデルでtを回して累積させると、その影響が色濃く現れる可能性が高い。

 

 

消費及び消費性向について

色々調べたけど、いわゆる資本家を除くと、消費を可処分所得の一次関数として書くのは、割と現実的かつ簡潔で使いやすい。もちろん、消費や可処分所得だけでなく純金融資産の影響をそれなりに強く受けるだろうし、世間が好景気だからとか社会保障が充実しているからとかって理由で消費が増えることもあるし、パラメータの個人差も大きい。でも、モデルを作りたい人間にとっての現実的な落としどころとしては、

消費=α0+ α1×可処分所得 + α2×純金融資産 

みたいなのは割と良い線いってる。いわゆる投資家に関しては、話が違うだろうけど。自分好みは資本家と労働者階級を地続きで考えられるような行動方程式を考案することだけど(元労働者の資本家もいるし、元資本家の労働者もいるし、どちらとも言えない人もいるので)、明確に区別したほうがモデルの簡潔さと精度を両立しやすいってのもわかる。

 

 

資本・投資・稼働率について

雑記1:投資規模の意思決定について

・投資規模は、まず需要の期待や稼働率を基準に、理想とする規模を想定する

・内部資金が十分にあり、資本財生産力も十分にあるのであれば、理想とする規模の投資をそのまま行う

・内部資金が少なく、収益率も低いのであれば、理想とする規模の投資を行えなくなる

・資本財生産力が理想とする規模の投資を実現できない場合、理想とする規模の投資を行えなくなる

これらの仮定を定量的に表現するとこうなる

I = min(\alpha (u^e - u_target) K_consumption, \beta M + \gamma Π, \delta K_capital)

どんなに内部留保が積みあがっていても、どんなに利益が上がっていても(資本収益率が高くても)、需要が期待できなかったら投資は増えない、資本が充実していなければ新たな資本を十分に生産できない、といった発想が組み込まれている。

 

カレツキっぽい発想に基づく投資水準の意思決定

I = \alpha K + \beta u K + \gamma Π K/Y

とは、発想が異なる。

カレツキっぽいモデルだと、稼働率と利潤の影響を足す。

 

ここで提案する形

I = min(\alpha (u^e - u_target) K_consumption, \beta M + \gamma Π, \delta K_capital)

は、需要の期待に応えて投資を増やそうとする時に、稼働率と利潤がそれぞれ独立した”制約”になっている。1990~2020の日本のような状況を含めて説明しようとすると、これのほうがカレツキっぽいのより現実的だと思う。

 

雑記2:投資に起因する不安定性について

ケインズの立場:投資が不安定である主な理由は、需要に対する期待が不安定だから。利子率を超える収益率が見込めるのであれば投資が増え、そうでなければ投資が減るという発想

カレツキの立場:企業が保有する内部資金(内部留保と資本金)と外部資金(借入)のバランスが、外部資金の割合が一定値を超えると、新たな借り入れができなくなるので、投資水準の上限は内部資金によって主に規定されている。内部資金の不安定性が投資の不安定に表れている

企業規模を調べた研究がカレツキを支持しているらしい。

個人的な意見は注釈*1。顔と性格どっちの方が重要か論争と似てると思う。あるいは、○○の××は▽▽%が◇◇で決まる、みたいな主張をしている統計的な研究が、サンプルの分散次第でどうとでも言えるって話と似ていると思う。

 

雑記3

需要増加(減少)の、資本・稼働率・投資に対する、

①短期的影響:需要の期待値が増加(減少)していない段階

資本:変化なし

投資:変化なし

稼働率:上昇(下降)

②中期的影響:需要の期待値が増加し投資が増える(減る)段階

資本:変化し始める

投資:増加(減少)

稼働率:増加(減少)

③長期的影響:資本が育ち、稼働率が目標に収束する段階

資本:増加(減少)

投資:変化なし

稼働率:変化なし

を再現するためには、投資が、「資本財を生産するための資本」の生産力で制限されていなければならないと考える。資本財の生産力に限界がなければ、中期的影響が再現されない。

また、「消費財を生産するための資本」と「資本財を生産するための資本」は異なる。その点も明記しておくべきと考える。

 

案1

資本が消費需要に比例して蓄積するモデルであり、r>gではなくr≒gとなる。はず。あと、特定の種類の資本を用いた生産には特定の割合の労働者数が従事するとか、技術水準とか、そういうものに該当する概念は含まれていない。

それから、言葉の使い方を世間と合わせないといけない。

ストック変数、期首t,期末t+1にしている問題。本来なら慣習に従って期首t-1,期末tとすべき

パラメータセット

(β0, β1, β2, βc, βkc, βkk) = (0.1, 0.8, 0.7, 0.5, 0.5, 0.5)

を用いるとそれなりにそれっぽい動きをすることを確認した。ちなみに

β3=0.714....

で、

C=1で固定すると、

Kc→2.5

Kk→1.0

uc, uk→0.8, 0.7 (パラメータで定めた目標通り)

テストの様子を注釈*2に貼っておく。消費需要の期待値が、消費需要の変化に対して素早く反応する設定にしたので、消費需要の上昇に対して投資の反応速度がやたらと速い。

βkkを時間とともに徐々に小さくしていけば、時間とともに消費財の生産により多くの資本が必要になる(商品の高度化?)、というニュアンスになり、r>gが自然と再現されるだろうとは思う。まぁ、r>gに関しては資本分配率が上がる時期に起こる現象だということもできるだろうし、たぶんほかにもr>gを再現するルートがある。

少し前提を複雑にしただけでここまで複雑な式を用いる必要が出てくるとは思っていなかった。かなりシンプルな投資関数を用いたがる理由がわかった気がする。

案2

案1に、労働者数と消費財の在庫の概念を入れる。

あと、稼働率が高すぎると資本減耗率が高くなるような効果を入れた。必要なければ(β0+β0a)→β0で置き換えればよい。β0a>0があると、稼働率がβ0bを超えたときに資本が急激に増えづらくなる。β0aが大きいと、稼働率がβ0bを超えたときに資本が減る。

資本などストック変数、期首t,期末t+1にしている問題。本来なら慣習に従って期首t-1,期末tとすべき

 

 

テストの様子は注釈*3にて。

Nc,Nkc,Nkkは無制限に大きくできる設定にしたが、AB-SFCを含め人口の概念が含まれるSFCモデルでは、そうもいかない。

あと、ここまで複雑にするのは嫌だ。ということで次の案。

 

案3

案2のβ0b=0をベースとし、KkとKcを区別せず、Kの一定倍が消費財生産に用いられる、という比較的シンプルなモデルにする。消費需要の振動に対してukとucがどの程度異なる振る舞いをするのかが興味の対象から外れるが、シンプルなのは良いことだ。

資本など一部ストック変数、期首t,期末t+1にしている問題。本来なら慣習に従って期首t-1,期末tとすべき

 

テストの様子は注釈*4にて。

案5

案3をベースに、政府の公的固定資本形成を組み込む。

TFMの一部はこれ。

導入される仮定のうち、後で一覧する式群を見てもわかりづらいもの

1, \frac{I_{gg}+\beta_0 K_g}{I_{gf}}=\beta_{g2}=const

つまり、公的固定資本形成のうち、「政府が企業に発注する固定資本形成」と「政府が自製する固定資本形成」の割合が常に一定という仮定。Iggが固定資本減耗を含む付加価値生産額だから、 I_{gg}+\beta_0 K_gが今季の政府が新たに自製した固定資本ということになる。

2, I_g=I_{gg}+I_{gf}=\beta_{g1} K_g

名義が公の固定資本が毎期一定割合で指数関数的に増加(減少)するよう、政策当局が計画的に公的固定資本形成を行う

3, u_t \beta_k (1-\beta_1) K - \beta_0 K=0

企業の資本が一定値に収束するとき、同時に目標稼働率が実現しているための条件。 \beta_1の値はこの式をもとに設定する

 

変数・パラメータの意味一覧

 X^e:Xの期待値

 X_{y-1}:X_yの前期の値

 X_{y+1}:X_yの次期の値

I:(民間企業の)投資

I_{gf}:公的固定資本形成のために政府が企業に発注して作らせた資本の量

I_{gg}:「公的固定資本形成のうち、政府が自製した資本の量」から、公的資本減耗量を引いたもの

K:企業の資本

K_g:名義が公の資本

C:消費需要

S:消費財の生産量

IN:消費財の在庫量

N_c:企業部門内で消費財および公的固定資本の生産に携わる労働者数

N_k:企業部門内で企業部門が保有する資本の生産に携わる労働者数

N_g:政府部門内で公的固定資本形成に携わる労働者数

u_c:企業部門の消費財および公的固定資本の生産にかかわる資本の稼働率

u_k:企業部門の「企業が保有する資本」を生産する資本の稼働率

u:企業部門の、資本の稼働率

u_g:政府部門の、公的固定資本形成にかかわる資本の稼働率

u_t:好ましい資本稼働率(u_tに置き換える予定)

\beta_0:固定資本減耗率

\beta_1:民間企業保有資本のうち、消費財及び公的固定資本を生産する資本の割合。\beta_1=\frac{\beta_k u_t-\beta_0}{\beta_k u_t}

\beta_2:望ましい在庫量の消費需要に対する比率。製造業だけ>0かな?

\beta_3:人員増加率の上限>0

\beta_4:人員減少率の上限>0

\beta_5:可能な投資規模の保有預金額への感度

\beta_6:可能な投資規模の黒字額への感度

\beta_5, \beta_6は、よその部門への投資のための支出が必要なら意味があるが、部門内で完結するなら関係ない。下のじゃなくて I=-\beta_0 K + btw(0, ({\frac{S+I_{gf}}{\beta_c \beta_1 \beta_k} - u_t})K + \beta_0 K, \beta_k min\{(1-\beta_1)K, \frac{N_k}{\gamma_k})\}を使うべきか?と思ったけど、投資財や原材料を仕入れなくても、投資活動は必ず賃金とセットになっているので、やっぱり資金的な制約が投資水準に影響すると考えるのは自然。

\beta_c:消費財及び公的固定資本を生産する資本の、単位量当たりの最大生産力

\beta_k:企業が保有する資本財を生産する資本の、単位量当たりの最大生産力

\beta_{g1}:名義が公の固定資本の増加率。-\beta_0 \leq \beta_{g1} \leq \beta_{gk}\beta_{g3}\frac{1+\beta_{g2}}{\beta_{g2}} - \beta_0しかとれない

\beta_{g2}:「政府が自製する固定資本形成」対「政府が企業に発注する固定資本形成」比率。これが時間によらず一定という仮定を置く

\beta_{g3}:Kgのうち、Kgの生産に用いられるものの割合

\beta_{gk}:Kgの生産に用いられるKgの、単位量当たりのKg生産力

\gamma_c:消費財及び公的固定資本を生産する資本の、資本単位量当たりの必要な労働者数

\gamma_k:企業が所有する資本を生産する資本の、資本単位量当たりの必要な労働者数

\gamma_g:名義が公の資本の、資本単位量当たりの必要な労働者数

btw(X, Y, Z):max(X, min(Y, Z))X \leq Zでなければならない

 

生産活動周りの行動方程式群(因果関係がある変数に関しては、上の式の左辺の変数が原因、下の式の左辺の変数が結果。計算準も上から順にするべき)

資本など、一部ストック変数、期首t,期末t+1にしている問題。本来なら慣習に従って期首t-1,期末tとすべき

N_c=btw\{(1-\beta_4)N_{c-1}, \gamma_c \beta_1 K, (1+\beta_3)N_{c-1}\}

N_k=btw\{(1-\beta_4)N_{k-1}, \gamma_k (1-\beta_1) K, (1+\beta_3)N_{k-1}\}

N_g=btw\{(1-\beta_4)N_{g-1}, \gamma_g \beta_{g3} K_g, (1+\beta_3)N_{g-1}\}

増加率と減少率の上限・下限を定めている方法も含め、かなり恣意的。仮置き状態。

I_{gf}=min(\frac{\beta_0+\beta_{g1}}{1+\beta_{g2}} K_g, \frac{\beta_c N_c}{\gamma_c})

I_{gg}=min(\frac{\beta_{g2} \beta_{g1} - \beta_0}{1+\beta_{g2}}K_g, \frac{\beta_{gk} N_g}{\gamma_g})

u_g=\frac{I_{gg}+\beta_0 K_g}{\beta_{gk}\beta_{g3}K_g}

S=btw\{0, C^e-IN+\beta_2 C^e, btw(0, \frac{\beta_c N_c}{\gamma_c} - I_{gf}, \beta_c \beta_1 K - I_{gf})\}

IN_{+1}=S-C+IN

 I=-\beta_0 K + btw[0, ({\frac{S+I_{gf}}{\beta_c \beta_1 \beta_k} - u_t})K + \beta_0 K, \beta_k min\{(1-\beta_1)K, \frac{N_k}{\gamma_k}, \beta_5 M + \beta_6 (\Pi_{-1}-p I_{-1})\}]

ここではpは資本財の価格水準。消費財の価格水準と別にするときはpの使い方に注意

u_c=\frac{S+I_{gf}}{\beta_c\beta_1 K}

u_k=\frac{I+\beta_0 K}{\beta_k (1-\beta_1)K}

u=\beta_1 u_c + (1-\beta_1) u_k=\frac{S+I_{gf}}{\beta_c K}+\frac{I+\beta_0 K}{\beta_k K}

 

ほとんど同じアイデアを使って作ったSFCモデルが、

rokabonatttsu.hatenablog.com

のver. 0.0

 

案6

経済学的な意味の投資と、科学や技術への投資は意味合いが違う。技術への投資は資本の量を増やさないが、技術水準に影響される係数の値を変える。経済学的な意味の投資は資本の量を増やすが、技術への影響とはおおむね独立しているといってよさそう。これを区別したモデルを作り直したい。中長期を扱おうとするモデルでは、このあたりの技術水準云々が本質的に重要だと思うから。

経済学的な意味の投資は稼働率を目標付近に維持することを主目的としていて手元の資金が足りなければ借入に頼ることも容易なのに対し、技術的な投資は不確実性が高いので資金調達のために借入に頼ることが難しく(株式発行が主体になるか?)、稼働率からの影響というよりも資金や市場競争などの影響を強く受ける。資本減耗は、技術水準の変化がないという縛りの下では、ミクロにみれば、設備の寿命付近で急に減耗が進み0に収束する、マクロにみれば一定割合で減耗する、というのがそれっぽい(リアルな会計ではなめらかに減耗させる手法がとられているだろうけど、SFCモデルではあえてそれを無視する方が実用的だという判断)。技術水準の変化がある場合は、代替資本が生産され次第、古い資本が寿命が来る前に急激に減耗する。実用的な技術の出現までには、基礎研究のフェーズと応用研究のフェーズがあるという想定をとりたい。基礎研究が進んだ状態では、応用研究をするだけで新技術が実用化される。資金的な余裕がさほどない大半の企業は、基礎研究から自前で行うと新技術実用化までの過程で費用(少なくとも開発者の人件費は必要)を出しすぎて倒産しそうだったり、人材をはじめとする必要なリソースが手に入らないなので、自前で基礎研究を行おうとはしないという仮定を入れる。基礎研究を行うのは資金力が非常に高い一部企業と公的な部門に限られるということにするのだ。

行動方程式を考えているところ。というか、研究開発のイノベーションがどの程度研究費の関数として書けるのかとか、書けるのならどんな形になるのかとか、必要な情報が手元になさすぎるので、そこら辺の研究や調査があるかどうか探すたびに出てるところ。手に負え無さそうならあきらめる。

 

案7

2024年1月17日時点で鋭意制作中

github.com

 

価格設定について

生産コストが時間変化するときの原価計算について

売上原価(t)=在庫(t)/(生産(t)+在庫(t)) * 売上原価(t-1) + 生産(t)/(生産(t)+在庫(t)) * 今期の生産費用

かな?あるいは、期首の在庫が期末までにすべて売れて、期末の在庫が今季生産されたものだけで構成される場合、

売上原価(t)=在庫(t)/売上(t) * 前期の生産費用 + (売上(t)-在庫(t))/売上(t) * 今期の生産費用

価格設定の文脈では、原価計算→価格決定→売上 の順番で進んでいるはずなので、すべて予測・期待・見積もりした○○

案1

資本・投資・稼働率についての案5と地続き。

変数とパラメータ

Tv:付加価値税

Tf:法人税

Tef:資産税

 

式群

 W_f=W_{f-1} \{(1-\delta_1)+\delta_1 \frac{u^e}{u_t}\}

 UC^e=\frac{UC_{-1} IN+\{(N_c+N_k)W_f+T_v^e+T_f^e+T_{ef}^e\}}{S+IN}

 m=m_{-1} \{(1-\delta_2)+\delta_2 \frac{u^e}{u_t}\}

 \delta_1, \delta_2が大きすぎると、需要増加に対して数量よりも価格で反応することになる。どの程度にするべきか後で考える

 p=(1+m) UC^e

 UC=\frac{UC_{-1} IN+(W_f+T_v+T_f+T_{ef}+i L_f)}{S+IN}

ポートフォリオ選択について

ベクトルと行列で書かれているよくある形のポートフォリオ方程式について

金利や利回りや配当の水準が与える影響を大きく評価しているが、妥当な仮定だろうか?平たく言えば、流動性やシステマティックリスクや、資産価格の変動の経路が与える影響のほうが大きいのではないか?あと、可処分所得ポートフォリオ配分割合に影響があるというのも不確かなのでは?

投機界隈やファンドマネージャーあたりから、要調査。

雑記3で答えっぽいこと書いてる

雑記1:投機に起因する不安定性について

ファンドは、投資家に良い業績を報告しようとして、レバレッジをかける衝動に駆られる

ポートフォリオ配分の目標があって、それを維持するための取引が行われているのではなかろうか

市場で成功している手法はまねされやすく、また、個人的な経験としてうまくいっている手法は生き残りやすい。どのような戦略が市場で支配的になるかによって、市場そのものの性質は変化する。市場は動態的な変化を続けるものであり、均衡へ向かう傾向だけで説明可能なものではない。

雑記2:「市場は物理法則で動く」の情報の反映

進化ゲームが、ナッシュ均衡に落ち着かないことがあるらしい

金融の内生的なブームとバーストが、環境に適応するエージェント同士の相互作用の結果として発生する様子を再現するための、基礎になる

適応が均衡をもたらすときと、適応がカオスをもたらすとき。その条件の違いについて整理したい。

ゲームの選択肢が比較的少ないときは、ゲームを繰り返す中でエージェントが適応した結果ナッシュ均衡が実現すると思う。ゲームのルールがシンプルで、ゲームが繰り返されるとき、現実はゲーム理論が教えるナッシュ均衡に落ち着きやすい。が、ゲームの選択肢が多いと、ゲームを繰り返しても、適応の結果がナッシュ均衡に落ち着かないのではないか?

暴落前は、戦略が少数に集中して、ボラティリティが低くなりがち。って話も書いてあったような。詳細要確認。


定型化された事実を満たすモデルでトービン税を導入してみると、税率が低いときはボラティリティを低くするように機能し、税率が高いときはボラティリティが高くなったらしい。まずは、定型化された事実を再現するモデルを作らなければならない。

 

代表的個人を想定することが、どれだけ現実とかけ離れた結論を導き出しうるのか、の例え

もし集団が、そこに含まれる個人の利害のみを代表しているならば、交通渋滞は決して発生しないだろう。渋滞を起こしたいと考えている人などいないからだ。相互作用は、個人の意図や欲求よりもはるかに重要であることが多いのだ。

~~PKが理論の構築において、個人の行動とその人を取り巻く制度を不可分と考えることの正当性が、このあたりにあると思う。~~

雑記3

マクロでは主に

ポートフォリオ配分目標→価格×数量

の因果関係が支配的で、

ミクロでは

ポートフォリオ配分目標÷価格→数量

となるという解釈が多分現実的。この二つは、容易に両立しうる。

 

資金調達手段について

もっとも単純な資金調達のモデルは、次のようなもの。

資金がショートしそうになったら、新規株式発行と借入から資金調達する。株式発行と借入の配分は、最もシンプルな方法だと、常に一定の割合。

借入は短期市場が主で、株式は返済義務がないので事実上の超長期市場。社債コマーシャルペーパーはその中間みたいな位置づけだと思う。材料費の調達や売掛金の回収が済んでいないが故の資金調達は短期寄り、研究開発投資や設備投資の資金調達は長期寄り、みたいにして資金調達の配分を目的別に変えることはできるし、たぶん現実的。純損益(損益計算書の意味の。キャッシュフロー赤字とかではなく。)からくる資金需要は、どこから調達してんのかな?

ここら辺は、多分、複数の論文に書いてあるだろうから、まずは調べる。

 

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注釈

*1:どちらの立場も間違ってはいなくて、両立しているが、因果関係として現れるのは状況によってどちらか一方になるのではないかと思う。ケインズ的な需要の期待に基づく理想的な投資水準があって、その理想の投資水準が慢性的に大きくなると、カレツキ的な資金的な制約による投資水準の変動が表に現れる、という構造なのではないかな。ちなみに、需要の期待に基づく理想的な投資水準が高いときは、カレツキ的なネックのほかに、技術的な問題、必要な労働を確保する問題などもネックになる、のではなかろうか

*2:

(β0, β1, β2, βc, βkc, βkk) = (0.1, 0.8, 0.7, 0.5, 0.5, 0.5)

Kc(0), Kk(0) = 1, 1

*3:

パラメータ

(β0, β1, β2, β4, β5, β6, β7) = (0.1, 0.8, 0.7, 0.2, 0.1, 0.02, 0.1)

β3 = (βkk*β2 - β0)/(βkk*β2)

(βc, βkc, βkk) = (0.3, 0.3, 0.3)

(β0b, β0c) = (0.02, 0.9)

β0a(t) = β0b*max{Sc(t)/(βc*Kc(t)} - β0c, 0)/(1 - β0c)

(γc, γkc, γkk) = 10, 15, 20

Cは外生変数

ほかのパラメータの値は同じで、β0b=0、すなわち稼働率が1に十分近くても資本減耗率が変化しない条件にすると、下のようになった

*4:

パラメータセット

(β0, β1, β3, β4, β5, β6)  = (0.1, 0.8, 0.15, 0.1, 0.02)

この時β2=0.375

(βc, βk) = (0.3, 0.2)

(γc, γk) = (10, 20)

Cは外生変数

でシミュレーションを回すと