好奇心の横断歩道を創る!

自分の思考をラバーダック・デバッグするためのブログ

経済の性質を理解するための情報源としての書籍まとめ

経済学を理解するためじゃなくて、経済の性質を理解するためね。ここ大事。
自分が読んだことあるやつ限定で、私の意見でしかないので、「偏見強いなー」と思いながら見てもらえれば。紹介の順番に意味はない。

ポスト・ケインズ派と現代貨幣理論

ポスト・ケインズ派

ポスト・ケインズ派が採用する前提と、それと相性の良い理論構築のための哲学について、詳しく書かれているのが良い。少々詳しくなってくるについれてその重要さがわかるようになる部分。

入手難易度が高いんだけど、日本語の教科書っぽい形式のポスト・ケインズ派の入門書はこれしか知らない。

現代貨幣理論

日本語のMMT本だと一番良い。読みやすさ、整理、情報量、正確さ、いずれも高水準。

制度が社会にもたらす影響

新制度派・旧制度派、進化経済学レギュラシオン学派などを俯瞰。入門で読むにはおすすめしない

新制度派経済学

制度が経済主体の行動をどのように決定するのか、ミクロ経済学的な視点を主として議論していく。新制度派は主流の経済学と違って理論の根本から限定合理性を前提として構築される

現代制度経済学

現代制度経済学?

タイトル通り現代制度経済学っぽい要素がふんだんにありつつ、ポスト・ケインズ派要素も結構ある。他の本であまり読まない着眼点に、難しすぎない内容。

計測と評価の、効用と弊害

無駄な仕事って何?の参考資料

パフォーマンス評価がパフォーマンスを下げる理由と、パフォーマンス低下を回避する評価方法について。ブルシット・ジョブや官僚制を多角的に考え理解を深めるのに非常に役に立つ。

自己組織化・複雑系・進化的な過程を多少なりとも理解するために

エージェント・ベース・モデルのいくつかの実例とともに、得られた知見も含め書かれる

発生生物学から経済まで幅広く扱いつつ、自己組織化という視点から世界を見る。著者の言葉では「カオスの縁」と呼ばれる、自己組織化臨界現象について詳しく書かれている。自己組織化臨界現象に関してはここでは説明しないが、自然界や経済のいたるところに冪乗則が現れる理由として有力視されている概念だ

制度形成のメカニズムについて。ノリは新制度派経済学と近い部分もありつつ、適応・自己組織化・進化ゲームと言った内容

複雑系経済学進化経済学

進化経済学というアプローチを確立した本だったかも。

新古典派などの経済学派が採用した前提の何が問題だったのか、という話から始まる。パラダイムシフトを起こそうとする野心が何度も見え隠れする

モデルを作りつつ説明するスタイル。できるだけ解析的な表現ができるように、とのこだわりを感じる

複雑系経済学の、日本語で唯一かもしれない入門書

社会物理学

文庫本だからと侮るなかれ

正確には社会物理学ではない。ネットワーク科学にも近い。産業が発展することに対する理解を、情報の蓄積という独自の視点から切る。

ネットワーク科学

「情報と秩序」と「ソーシャル物理学」の理解を深めるための基礎体力でもある。日本語で書かれたこの分野の教科書っぽい本の中では、これが圧倒的に良いと思う

金融市場の理解

効率的市場仮説の不完全さを認識して打ち上げられた、適応的市場仮説について。現実を適切に反映した仮説だとは思うが、これそのものは実証に適さない仮説なので、扱いが難しい。

分野でいうと経済物理学になるのかな?

歴史的視点

生産性と生活水準の関係

技術の進歩は必ずしも生活を楽にしない、何なら技術の進歩は格差拡大によって特権階級以外の生活水準を向上させないときのほうがメジャーだという現実と、生産性上昇が生活水準を向上するのはどのようなときかについても。

国家形成の経緯

現代経済は国家という制度と、国家の存在を前提とした諸制度の上で成立しているということで、国家の体制が経済に影響を与えることを示唆する話など。

サピエンス全史みたいな単純な”段階史観”は現実から遠い、って話。(あと、サピエンス全史の貨幣の説明って間違ってるんだよね)

貨幣流通の必要条件としての暴力について

MMTが表券主義の立場を取るのは、この辺が根拠なんじゃないかな?と想像する

経済理解のための哲学

(科学)哲学は、まともな経済学を構築するために考慮すべき視点と言える。いくつかの経済学派が経済をどのようなものと捉えているのか、現実の経済はどのようなものなのか、経済学の哲学はどうあるべきか。

批判的実在論など、ポスト・ケインズ派の哲学的立場に詳しいのは、上ですでに紹介したこれ

価値観と思想

経済は人がそのあり方を選んだ結果である。経済を理解するには思想とその帰結の理解も重要。

内容はタイトル通り「遺伝と平等」について。選民思想と真っ向から対抗するための指針。

この2冊は「言いすぎじゃね?」と思うこともありつつ、大筋はその通りだよなとも思うやつ

産業の理解

下で情報産業と製造業と流通について上げるが、この3つを特に選ぶのは、経済成長に最も影響する3要素だと思っているからだ。一次産業は比較的イメージしやすいし、サービス業は顧客として関わることが多くてなんとなくノリがわかることも、理由としてあげられる

情報産業

書籍と言うより論文なんだけど。ソフトウェア産業のノリを理解するために

ソフトウェア産業のノリを理解するための2冊目

非常に重要な部分なのでこの2冊以外にもたくさんあげたかったのだが、自分は読んだことなくて。

製造業

生産性上昇率が高い産業分野は、経験的に、情報産業と製造業だった。GDP高成長させる国はたいてい製造業か情報産業かその両方が成長している。この本は都市単位ではあるがこの事実を教えてくれる

非常に重要な部分なのでこれ以外にもたくさんあげたかったのだが、自分は読んだことなくて。と言うか、製造業の本って何を選べばいいの?

その他

社会制度や習慣が、感染症や寄生生物から強く影響を受けたんじゃないかって話など。

この本に関しては自分はなんとも言えない立場。腑に落ちる部分は多いものの胡散臭いと思う部分も多い。