好奇心の横断歩道を創る!

自分の思考をラバーダック・デバッグするためのブログ

クリティカルシンキング チェックリスト

タイトル通り、チェックリストです。私自身への問いかけを意識して書いているので、(言い換えると、「こんなのあったらいいな」を形にしただけなので)万人向けの代物ではないとおもいます。あとどうでもいいけど、アイディアマンには格言好きな人が多いらしい。本記事と類似の記事として、事実を直視する覚悟はあるか?:認知バイアスを回避したい我々への提案もあります。ご興味あればどうぞ。

ではでは。

 

 

 

 

☑知っていることと理解していることを区別する

何度も同じ情報に触れていると、それを理解した気になるものです。ですが、自分の頭で考えて解釈しなければ、理解することはできません。理解することができなければ、説明できないし、予測もできません。

 

☑相関と因果を区別する

何かを理解するということは、因果関係を説明できるということでもあります。「どんな物事にも因果関係がある」と錯覚するバイアスにとらわれていないか注意しながら、因果関係の説明を試みましょう。因果関係を説明できることが理想ですが、相関関係しかわからないなら、はっきりそれを認めましょう。

「理屈と膏薬はどこにでもくっつく」

 

☑前提を意識化し、疑問視する

科学の偉大な発見は、たいていこれが出発点ですよね。別に科学者ではなくても、真実に近づきたい我々に必要な感覚です。言葉の定義の確認も、この項目に含まれます。

「論拠やデータ自体が誤っていたら、それを前提としている論理も間違い」

 

☑疑問と目的を明確化し、意識し続ける

いますよね、何を聞きたいのか分からない質問をする人。それじゃ困ります。何を調べればいいのか、何を考えればいいのかわかりません。そして、疑問はしつこく意識し続ける必要があります。情報あふれる現代においては、すぐに気が散ってほかのことに意識が持っていかれるので。私は「先に解決したい疑問をメモしておいて、その上で本やウェブで調べる」というのをよくやります。ほかのことが気になったら、それをまたメモして、後で調べます。

定義し、細分化し、相対化すれば、世界が見えてくる。

 

☑何に疑問を持つかがその疑問の答えよりも重要だ。と心得る

何に疑問を持つかは、思考の方向を決める作業です。思考の方向を決めるということは、何を前提として受け入れ、何がわからないかを明確化し、何を知りたいのかを決めるということです。求めている答えが右にあるのに左にサーチライトを当てても、意味がありません。

「一番大きな問題は、たいていの失敗は手遅れになるまで気づかないということだ」

 

 

☑「分からない」と「あり得ない」を混同しやすいことに注意する

人は、自分で考えないために最大限努力する生き物です。理解が及ばないものに対して「ありえない」と一蹴したくなるのは当然です。たいていの場合は「ありえない」という感想が的を得ているのかもしれませんが、常に「ありえない」とは限りません。

「反対派が死に絶えた後に、その真理になじみを感じる新しい世代が育ってきて、ようやく認められる。」

「彼の書いた本は独創的で面白い。ただし、独創的な部分は面白くないし、面白い部分は独創性がない。」

「愚か者はすぐに否定する。理解が及ばないから否定しかできないのだ。」

 

 

☑誰が何のために提供した情報なのか考る

マスメディアやほとんどのSNSでは、検閲済みの情報ばかりが出回ります。運営する団体にはその団体特有の道徳観があって当たり前だからです。発現する人には必ず何かしらの意図があります。情報が提供された理由をできるだけ把握するべきです。

金の流れを追うなど、人の意図を探るのに有効な手段がないか、考えてみるとよいかもしれません。また、人の行動や発言は、その人自身の社会的立場や思想や宗教に強く影響を受けるので、情報の発信減の意図を探るためにそのような背景を気にするのも良い傾向です。人事の確認も有効かもしれません。

「私たちが大衆に見せるものがすなわち現実だ。彼らはそれしか知らないし、知る必要もない。彼らに見せなければ、それは存在しないことになるのだ。」

「経済学を学ぶ理由は経済学者に騙されないためです」

 

☑文脈の前後関係を確認する

マスメディアがよくやる編集型のウソ(悪意の有無にかかわらず)を信じ込まないために、前後関係を確認しておくべきです。また、あらゆる出来事には歴史があり、その歴史の流れを知っておくことで初めて気付く解釈も存在します。

 

☑情報の信頼度を評価し、評価方法を吟味する

素人の意見より専門家の意見、専門家の意見より研究論文。どの情報がどの程度確からしいかを評価するフレームワークが必要です。

 

☑できるだけ定量的に理解し、説明する

数字は偉大な発明です。抽象的な議論を具体的にするためにとても便利です。ぜひ積極的に使いましょう。と言いつつこの記事では全く使わないという。私の力不足です。

数字がなければ、世界は理解できない。でも、数字だけでは世界はわからない。

 

☑因果関係が説明できたとしても、説明できること自体は因果関係の証明にはならない

人は「説明の中に潜む間違っている点」を発見するのがとても苦手です(ただし天才を除く?)。だからこそ、科学は実験による裏付けを重視するのです。あなたが観測した現象を自分なりに説明できたとして、それがどれだけ用心深く考えた結果であっても、正しさの証明にはなりません。複数のルートでそれを説明し、その説明を比較検討できる状態が理想です。

 

☑様々な手段や選択肢を試みる

行き詰ったときに特に有効な考え方ですね。選択肢を思いつかないことが、しばしばネックになるのですが。。。。

「同じことを繰り返しながら違う結果を望むこと、それを狂気という。」

「ハンマーしか持っていなかったら、なんでも釘に見える」

 

☑幅広く関連分野に興味を持つ

思考に行き詰った時、それを突破するために必要なのは、多くの場合は同じ分野を深堀することではなく、近い分野の知識だったりします。専門バカは、専門分野ではだれにも負けないかもしれませんが、研究者ではない我々にとっての多くの問題解決の場面で、専門知識はたいてい役に立ちません。

「人間のやりたいことって想像力によって制限されてると思うんです」

 

過学習の可能性は常にある

ルールに従う事象うち、ごく少数の事象を繰り返し学習する。そうすると、ルールに従う他の事象を後で知っても、ルールを見抜けなくなるものです。馴染みのある方法で(たとえ矛盾があってもそれに気づかずに)説明してしまうためです。

「成功した人たちは、ある分野で得た知識を別の分野に応用するのが上手く、また、「認知的定着」を避けるのも上手だった。」

 

☑多重人格の視点で自問自答する

思考を深める良い方法の一つは、質疑応答です。質問するとき、何がわかっていて何がわかっていないのかを気付くことができます。 質問に答えるときも同様です。そして、いつでも、どこでも、無料でできる質疑応答は、自問自答です。

自問自答のコツの一つが、質問の形式を多様にすることです。共通点は何か?具体例は何か?5W1Hよりもさらに多様な質問を自分に投げかけるとよいでしょう。

ちなみに5W1Hは、

なに、いつ、どこで、どのように、だれが で具体化

なぜ で抽象化

に思考を誘導できます。

 

☑必ず複数の立場の意見を参考にする。必ず

マスメディアも検索エンジンも、学界から井戸端会議まで、我々が仕入れることができる情報は必ず偏っています。漫然と調べていれば、必ず自分も偏ります。

「予想というのは普通、将来のことよりも予測者自身のことを詳しく語っているものです。」

 

☑どんなことでも、結論は敢えて出さない

新しい情報は必ず出てきます。人は必ず間違います。自分の意見をいつでも変えることができるように、その問題を考え続けるために、結論は敢えて出さないでおくとよいでしょう。

「結論は、考え疲れた時に至る場所である」

「複雑な問題には、必ず、明解で、単純で、間違った答えがある。」

 

☑他の人が諦めても、答えを探し続ける

ほぼすべての人たちは、「できるだけ考えないこと」をモットーに生きています。すべての人は、与えられた情報に対して、少なくとも一度は、昆虫的に反射反応しています。IQが高くても関係ありません。情報を与える人たちの思惑通りに洗脳され、それが自身の不利益になったとしても、洗脳されたことに気づけないものです。(私は、どうせ洗脳されるなら有益な方向に、幸せになるように洗脳してほしいです。)ですから、事実を見つけることを大事だと思うなら、他人が考えることをやめても、自分で考え続けるべきです。

「自分の頭でものを考え続けるということは、一人で世界に立ち向かう孤独に耐えることでもある。それは、とてもつらいことだ。」

「世論を信じる者は、自分で目を隠し、自分で耳に栓をしている」

 

☑最後に、自分の判断に自信を持て

クリティカルシンキングする人は、その人自身が批判的に評価されるものです。議論することのできない他人からの攻撃に負けず、行動し続けるために、自分の判断に自信を持ちましょう。そして、判断は結論ではありませんから、常に判断を変えることができる勇気を持ちましょう。

結論は出さず、常に立場を変える勇気を持ち、自身の判断には自信を持つ。難しいことですし、たいていはしんどいですが、クリティカルシンキングを大事だと思うなら、頑張りたいものです。

「常識の最大の問題点は、ほとんどの人がアホだということだ」

「虚偽がまかり通る時代には、真実を語ることは革命的行為である」