※編集中。間違ってる部分も多いと思う。勉強しつつブラッシュアップしている途中。売買の市場か貸し借りの市場か、何と何を取引する市場なのか、○○金利はそれぞれ何にかかる金利なのか、いろいろ勉強することはある。
#編集用メモ:101のミッチェルの自己資本比率の記事とか読む。リーディングリストに入れてる。自己資本比率関係は、たぶん、かなり重要
#編集用メモ:額面通りに取引される新規発行の市場と、二次市場?の両方に言及
国債の価格と利回りの決まり方は、我々のような金融の素人を相手にシンプルな説明をしようとすると、余計によく分からなくなる類の話題だと思う。そこで、この記事では、あえて複雑な説明を試みる。シンプルさを捨て、詳しさを選ぶ。対象となるのは、「分からないことがあればググる手間を惜しまない、金融の素人」である。現代貨幣理論をある程度理解していれば尚良い。
前提知識の整理
語句
償還期限
債権の元本が戻ってくる期日のこと。国債の償還期限とは、国債がその額面の日本円と交換される期日のこと。
国債市場
国債が流通する市場は2種類ある。国債が新規発行される市場と、発行済みの国債が取引される市場だ。上場企業の株式と似ている。
新規発行される市場では、国債の買い注文が多いほど、国債の価格が上がる。逆に、国債の買い注文が少ないほど、国債の価格は下がる。
発行済みの国債が取引される市場でも同様に、国債の買い注文が多い時ほど、国債の価格が上がる。逆に、国債の売り注文が多い時ほど、国債の価格は下がる。
表面利率
国債そのものの金利は、表面利率(クーポンレート)と呼ばれる。表面利率の単位は(%)。
表面利率は国債を発行するときの国債市場の情勢に即して決めている、だそうだ。
国債の表面利率(利率、クーポンレート)はどのようにして決まるのでしょうか : 財務省
国債には短期国債と長期国債がある。短期国債の表面利率は、市場で額面と同じ価格で売買される水準を予測してつけるようだ。長期国債の利回りは、短期国債の利回りを参考基準にしつつ、将来にわたるインフレ率の予想やリスクプレミアムなども含まれるようだ。利回りとは何か?次の節で言及する。
国債の価格と金利の決まり方
国債の価格は、国債が流通する市場で決まる。国債の額面と償還期限は、あらかじめ決まっている。表面利率は政府(おそらく財務省)が決める。国債の利回りは、国債の価格・国債の額面・償還期限までの時間・表面利率によって決まる。
国債の価格は、国債市場において売り注文が多いと下がり、買い注文が多いと上がる。
国債の利回りは、国債市場において売り注文が多いと上がり、買い注文が多いと下がる。
意味合いがわかりやすい形の数式で、利回りの決まり方を表すと、
となる。この式は、「国債の利回り」という言葉の意味でもある。
の部分が、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき、手に入れることができる利息(円) を表す。
は、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき得られる、国債の額面と価格の差からくる利益(円) を表す。
は、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき手に入る、国債の購入に使った金額1円当たりの利益(円)を表す。元手の何倍の利益が得られるかだ。100を掛けると、元手の何%の利益が得られるかを表す。
国債の価格が利回りに与える影響がわかりやすい形で、国債の利回りを表現すると、
となる。
「利回り」の意味を言葉で説明すると以下のようになる。
「国債をその価格で買って償還期限まで保有したとき、国債の購入に使った元手に何%の利息が付いたときと同じリターンになるか」を表すのが国債の利回りだ。価格と額面が同じだったとしたら、国債の利回りは表面利率と同じになる。
「インフレ率の予想やリスクプレミアムは、どこに?」と思ったあなた、鋭い。そういった数々の要素を加味して、国債の表面金利や利回りが決まっているので、問題ないのだ。数学チックに表せば、国債の表面金利=F(インフレ率の予想, リスクプレミアム, ,,,,,,) 国債の利回り=G(インフレ率の予想, リスクプレミアム, ,,,,,,)。
準備預金制度
民間銀行が、個人や企業を相手に発行する預金の金額の一定の割合を、中央銀行である日銀の口座に預けることを定めた制度。 準備預金制度 - Wikipedia
ただ、現状は、有名無実化していると言って良い。金本位制時代の遺物ともいう。
日銀の口座の預金は「日銀当座預金」と呼ばれる。原則無利子で、金融機関同士の決済などに使われる。
超過準備
準備預金制度で定められた金額以上の日銀当座預金を保有している場合、保有義務がない金額分の日銀当座預金を、超過準備と呼ぶ。準備預金の超過だから超過準備、ってことかな。覚えやすい。
マイナス金利政策ってのは、この超過準備の一部にマイナスの金利をかける政策だと思ってれば、多分正しい。
貸出約定平均金利
銀行や信用金庫が個人や企業に資金を貸し出す際の金利を平均したもの。金融業界人ではない我々に直接影響を与える金利はこれ。
補完当座預金制度
超過準備に一定の金利をつける制度。2022年1月現在、多くの金融機関が、準備預金制度で定められた準備預金の残高=法定準備預金額を上回る準備預金を保有することが不通である。超過準備に一定の金利を付け、短期市場金利が特定の範囲内で推移するように、ある程度誘導している。
日銀をめぐる、社会的な関係性について
銀行と中央銀行の関係について
我々民間人が民間銀行に口座を持って、「お金を預け」たり「お金を借り」たり「振りこみ」したりする。同様に、銀行・信用金庫・証券会社などの金融機関や政府は、日本銀行に口座を持っており、お互いに「お金を預け」たり「お金を借り」たり「振りこみ」したりしている。日銀の口座に預けられた当座預金を、日銀当座預金あるいは準備預金と呼ぶ(これ以降、日銀当座預金でなるべく統一する)。個人や金融機関ではない企業は、日銀に口座を持つことはできない。持つ必要もないし。
日銀はその業務の一部として、政府や金融機関の間の決済の仕事をしている。
銀行間の振り込みと、銀行間決済
A銀行の口座からB銀行の口座への送金は、A銀行の負債がB銀行に移ったことを意味する。そのままではB銀行は損でしかないので、A銀行に対して決済を求める。この決済には、日銀当座預金が使われる。
国債保有のインセンティブ
民間銀行は普通、準備預金制度で定められた以上の金額の日銀当座預金(=超過準備) を持つとき、金利が付く国債などの債権を購入しようとする。少しでも金利収入を増やしたいからだ。超過準備の一部を使って、他の民間銀行・政府・日銀が持つ国債を、市場で購入する。
国内でクーデターや戦争でもない限り、日本国債がデフォルトすることは無い
デフォルトってワードを使う人なら百も承知の内容かな?
デフォルトという単語は、日本語だと債務不履行と呼ばれることも多い。素人向けの詐欺師が使う言葉だと、財政破綻とか国債暴落とか、そんな言葉を使われることが多いかも。
日本国債がデフォルトしない理由は、私は、一言では説明できない。
強いて一言で述べるなら、かなり不正確だけど、「日銀が買うし、借換えもするから、デフォルトしない」かな?簿記の勉強をしたことがある方なら、こちらの記事を読んでいただければ、ある程度理解できるはず。簿記の勉強したことがある方は、そもそも知ってる内容かな?
デフォルトするシナリオは他にもある。固定為替相場制を無理して維持した場合や、一定レートで通貨交換する約束とセットで国債を発行した場合は、政治的な理由によりデフォルトを選択することがある。外貨建て国債を発行した場合も、デフォルトする可能性がある。デフォルトの可能性と理由については、分かりにくいが、こちらの記事で触れてた。今の日本は変動為替相場制を採用しているし、外貨建て国債を発行してもいない。
「日銀が債務超過になって破綻する」みたいなのも嘘だゾ。
日銀と財政周りの決済
日銀は、財政支出や徴税に必要な決済も担当する。いや、日銀の株式の55%を財務省かどこかが持っているので、日銀は政府の一部ともいえるのだが、そこは解釈次第。
財政支出や徴税では、税を支払う民間の経済主体・民間銀行・日銀・政府の4者が関係者となる。どのような取引をするのか、複式簿記のようにして表現した記事をリンクしておく。
市場、金利
短期市場金利
短期市場金利は、金融機関(と政府?)が参加して資金取引が行われている市場の金利。貸し借りの期間は1年以内。
コールレート、レポレート、コマーシャル・ペーパー発行レート、譲渡性預金金利、国庫短期証券利回り、銀行間取引金利などの総称。
無担保コールレート(オーバーナイト金利)
無担保で準備預金を貸し借りする市場=無担保コール市場において、貸し付ける預金の金利を、無担保コールレートと呼ぶ。普通は翌日、あるいは一周間以内の短期の貸借が対象。
レポ金利
現金担保付きの債券貸借取引をレポ取引と呼び、レポ取引が行われる市場をレポ市場とよぶ。
債券の借り手は借入れ債券に対する債券貸借料を支払い、債券の貸し手(担保金の受け手)は担保金に対する金利を支払う。
多くの場合、レポ金利は0以上らしい。(レポ取引は、一時的に現金が欲しい金融機関が、手元の債権を貸し出す代わりに受け取る担保金(=日銀当座預金)で資金繰りするのだろうか。担保金を受け取るほうが立場が弱いことが、レポ金利が0以上になりやすいことの理由なのかもしれない。知らんけど。)
#国債限定のレポ市場もあるのか?あるとしたら、下限は超過準備にかかる金利、上限は日銀が提供するレポ金利が適応されると予想される。
#預金金利・貸付金利 といった言葉を使うのをやめ、置き換える 補完預金制度で超過準備につく金利にいい感じのネーミングを施す。「超過準備預金金利」でいいのか?量的緩和の有無で各種金利・利回りの大小関係が変わることも分かるように書き直す
#オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか? : 日本銀行 Bank of Japan で公開市場操作がまとめられている。
#無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか? 資金過不足とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan で、無担保コールレートの歴史と性質がまとめられている。超過準備につく金利が無担保コールレートの下限、保管貸付制度で提供される貸付の金利が上限。
#量的緩和後の金利の関係について、米国の事情ではあるが言及した内容が
FRBの利上げについて基本的な仕組みを理解する(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース
米利上げでも金融環境はあまり引き締まらない可能性 | 三井住友DSアセットマネジメント
どちらも、下に書いた内容と明らかに矛盾する。量的緩和以前と以後で事情が変わっている場合、どちらも網羅した内容に書き直したい
日銀(と政府)による、金利・利回りのコントロール
ここからのまとめは、以下のリンクなどが主な情報源だ。
オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか? : 日本銀行 Bank of Japan
無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか? 資金過不足とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
金利や利回りの上限・下限という言い方をするが、通常の状態だと上限、通常の状態だと下限、という意味だと思ってほしい。そこから絶対に外れないという意味ではない。
金利や利回りの共通する上下要因は、準備預金が不足気味か飽和気味かである。準備預金を欲しがる金融機関が少ないときは金利や利回りは軒並み下がり、準備預金を欲しがる金融機関が多いときは、金利や利回りが軒並み上がる。という傾向があるはず。
日銀による、金融機関の持つ準備預金の総量や国債の総量を左右する手段
日銀によるオペレーションはこちらの日銀のページにまとめられている。
資金供給オペレーション
民間の金融機関に準備預金を増やし、国債を吸収する手段には、
・国債買現先オペ(期日で国債を売り戻すことを条件に、国債を買って準備預金を提供する)
資金吸収オペレーション
民間の金融機関に準備預金を減らし、国債を放出する手段は、
・国債売現先オペ(期日で国債を買い戻すことを条件に、国債を売って準備預金を吸収する)
政府(財務省)による、金融機関の持つ準備預金の総量や国債の総量を左右する手段
政府は財政支出によって準備預金と国債を供給し、徴税によって準備預金や国債を吸収する。説明はこちらの記事に任せる。複式簿記がわかる方用の記事だから、お勧めするには少し後ろめたいのである。
無担保コールレート
金融機関は準備金調達のために、無担保コール市場だけでなくレポ市場や国債の売買の市場も選べるので、無担保コール金利はレポ金利や国債の利回りともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。
需要と供給
無担保コールレートは、無担保コール市場で貸し手として参入する金融機関が増えるほど下がり、市場に借り手として参入する金融機関が増えるほど上がる傾向にある。市場で金利が高いと貸したい金融機関が相対的に増え、金利が低いと借りたい金融機関が相対的に増える。需要と供給の関係だ。
民間の金融機関に準備預金があふれている場合、借り手が減って貸し手が増えるので、無担保コールレートは下がる。民間の金融機関に準備預金が不足している場合、借り手が増えて貸し手が減るので、無担保コールレートは上がる。レポ金利や国債の利回りが相対的に低い時も、無担保コールレートは下がりやすいはず(今から調べる)。レポ金利や国債の利回りが相対的に高い時も、無担保コールレートは上がりやすいはず(今から調べる)。
上限
日銀は、金融機関に対して、補完貸付制度の下で一定の金利で準備預金の貸し付けに応じている。準備預金が一時的に必要な金融機関は、準備預金の調達手段として無担保コール市場を使うこともあるが、日銀が応じる貸付よりも高い金利を支払ってまで、ほかの金融機関から借りる理由はないため、日銀による無担保の貸し付けの金利が、無担保コールレートの上限になる。
下限
補完当座預金制度によって、超過準備に0ではない金利がついている。超過準備の金利は、無担保コールレートの事実上の下限となる。超過準備をそのまま持ち続けたほうが金利収入が大きくなるなら、無担保コール市場に貸し手として参加するメリットがなくなる(し、もし仮に無担保コール金利が超過準備にかかる金利より低い場合、無担保コール市場の借り手として参入してでも超過準備を持ち続けるほうが、金利収入が増える)からだ。
レポ金利
無担保で資金を貸し出すのは、それなりにリスクも伴う場合もあるだろう。担保になる債権とトレードする形で準備預金を取引する、いわゆるレポ市場についてすこしだけ触れる。金融機関は準備金調達のために、レポ市場だけでなく無担保コール市場や国債の売買の市場も選べるので、レポ金利は無担保コールレートや国債の利回りともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。
需要と供給
レポ市場には、一時的に準備預金を必要とする金融機関と、準備預金の貸し付けで金利収入を得たい金融機関が参加する。レポ金利は、普通0以上らしい(0を切るとちょっとしたニュースになる程度か?)。担保になる債権の種類次第で、準備預金の貸付に応じたり応じなかったりする金融機関もあるはずだ。私は確かめていない(今調べている)が、国債限定のレポ市場は多分ある。
レポ金利は、準備預金を貸す金融機関が多いほど低くなり、債権を貸す金融機関が多いほど高くなる。
民間の金融機関に準備預金があふれている場合、レポ金利は下がる傾向にあり、民間の金融機関に準備預金が不足している場合、レポ金利は上がる傾向にあるはずだ。無担保コールレートや国債の利回りが相対的に低い時も、レポ金利は下がりやすいはず(今から調べる)。無担保コールレートや国債の利回りが相対的に高い時も、レポ金利は上がりやすいはず(今から調べる)。
上限
pass
下限
pass
国債の利回り
金融機関は準備金調達のために、国債市場だけでなくレポ市場や無担保コール市場も選べるので、国債市場はレポ金利や無担保コール金利ともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。
需要と供給
国債の利回りは、国債市場で国債を売って準備預金を得たい金融機関が多いほど上がり、国債を買って金利収入を得たい金融機関が多いほど下がる。(国債の価格は、国債を買いたい金融機関が多いほど上がり、売りたい金融機関が多いほど下がる。利回りと逆。)
民間の金融機関に準備預金があふれている場合、国債の利回りは下がる傾向にあり、民間の金融機関に準備預金が不足している場合、国債の利回りは上がる傾向にあるはずだ。無担保コールレートやレポ金利が相対的に低い時も、国債の利回りは下がりやすいはず(今から調べる)。無担保コールレートやレポ金利が相対的に高い時も、国債の利回りは上がりやすいはず(今から調べる)。
上限
・日銀が国債買現先オペを始めた場合
・日銀が国債買入を始めた場合
頭打ちになる。日銀が国債買現先オペや国債買入を始めたら、金融機関が保有する準備預金の総量が増え、準備金を調達した金融機関が減り、国債の利回りは下がる。
下限
・日銀が国債売現先オペを始めた場合
・利回りが超過準備にかかる金利に等しくなったとき
が下限になる。日銀が国債売現先オペを始めると、金融機関が保有する準備預金の総量が減り、準備金を調達した金融機関が増え、利回りは上がりやすいはずだ。また、超過準備にかかる金利よりも利回りが低いと、国債市場で国債を買うメリットがなくなるからだ。