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各国の名目&実質GDP・政府支出(一般政府歳出)・政府収入・消費者物価指数などのデータ。ここにあり。

IMFがまとめた、世界各国の経済指標の統計は、

Download entire World Economic Outlook database, April 2021

から入手できた。この手の経済指標が入手できるページを探すとこから一苦労する人、多いんじゃなかろうか。

新しいデータが欲しい時は、”World Economic Outlook Database 20○○"みたいに検索すれば、それっぽいページが上位に来るはず。

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私が”World Economic Outlook Database 2021"で検索したときは、こんな感じのページが出てきた。

Entire Datasetをクリックして、By Countriesをクリックして、みたいな感じ。

 

Excelファイルでデータがダウンロードできる。必要な抽出するためにExcelのテーブル機能が便利かも。あと、ダウンロードできるExcelファイル、古いタイプのやつだよね?開くとき毎回警告出るので、新しく作ったExcelファイルにすべての値をコピーして使う羽目に。まあ、愚痴ってもしょうがないか。

 

1980以前の古いデータが欲しい時は、世界銀行

www.worldbank.org

data.worldbank.org

も選択肢にどうぞ。古いデータいうても、1960からが限界だった気がする。記憶が定かじゃないな。

生産・消費・そのほかの経済活動について、バランスシートと共に考える

何を主張する、誰のための記事か

この記事は、簿記のルールや性質を使って、「生産はバランスシート上でどのように表現されているか」「消費はバランスシート上でどのように表現されるか」「政府支出(政府最終消費支出と公的固定資本形成と公的在庫増加の合計)の増加が国民の生活水準を向上する理由」などに言及します。実に当たり前のことを述べるために、なぜわざわざ簿記を持ち出して?と感じるかもしれませんが、ご容赦ください。

複式簿記の基本の基本がわかる方に向けて書きます。具体的には、資産のプラス・資産のマイナス・負債のプラス・負債のマイナス・費用・収益を区別して計上できるならバッチリです。勘定項目をほとんど知らなくても問題ありません。私自身、その程度の知識しかありません。複式簿記がわからない方は、もしよければ、複式簿記の入門書で勉強してみてほしいです。資産と負債、費用と収益を区別して計上できれば十分です。その程度のレベルに到達するだけなら、さほど難しくありません。

 

 

バランスシートの恒等式

バランスシートでは、恒等式

金融資産+実物資産=金融負債+純資産

が成り立ちます。ミクロでもマクロでも成り立ちます。

実物資産は、インフラ・工場設備・オフィス設備・在庫・住宅・家電・自動車・特許・ソフトウェアなどをイメージすれば問題ないと思います。ちなみに、アメリカやEU圏などではどういう仕組みなのか知りませんが、日本の場合は、「硬貨」も実物資産に含まれます。

金融資産は、(銀行以外の主体にとっての)預金や、紙幣・株式・債権などです。私としては、株式を硬貨と同じ実物資産扱いにするか、株式会社にとっての資本金を負債扱いにするかして、物事をシンプルに考えられるようにしてほしかった、という気持ちが無きにしも非ず。まぁ、現場の試行錯誤の結果今の形になったのだろうから、一定の合理性はきっとあるんだと自分に言い聞かせています。

 

金融負債は金融資産と同時に誕生する

金融負債と金融資産の発生及び消失をめぐる、バランスシートの変化を表すと、このようになります。

金融資産と金融負債の発生及び消失

ただし、すべての勘定科目が同じ金額の時。

経済主体②が銀行で、「経済主体①にとっての金融資産」と「経済主体②にとっての金融負債」が預金の場合、これは信用創造・信用収縮と呼ばれます。信用創造以外にも、企業が社債を発行して金融機関がこれを買う場合などが含まれます。

 

 

新規株式発行は金融資産と純資産を生み出し、自社株買いは金融資産と純資産を消失させる

株式の新規発行と自社株買いをめぐる、バランスシートの変化を表すと、このようになります。

株式の新規発行と自社株買いをめぐるバランスシートの変化

ただし、すべての勘定科目が同じ金額の時。

新規株式発行がバランスシートを膨らませ、自社株買いがバランスシートを収縮させる様子です。株式会社があたかも銀行のように、信用創造に近いことをしている、とも解釈できなくもないですね。ただやはり、信用創造と株式発行は異なる性質を持つちます。つまり、

・株を使った取引はたいてい株式市場でしか起こらない(日常の支払いではほどんど使えない)し、

・現金に対して価格が変動するし、

・銀行融資のように負債とともに誕生する金融資産ではないし、

・バランスシートが膨らむのは株式会社だけ(銀行融資だと銀行のバランスシートも膨らむ)

のです。

 

 

株価の変化は、株を保有する経済主体の金融資産と純資産の金額を変化させる(時価会計)

株価変動をめぐる、バランスシートの変化を表すと、このようになります。

株価の変動がバランスシートに与える影響

()の中は金額を表します。

債権の価格の変動も、似たようなもんです。ここには書きませんが。

 

 

マクロでは、「金融負債」と「金融資産から株式を除いたもの」がバランスする

一万円札でキャンプファイヤーする輩などのイレギュラーを無視すると、マクロでは「金融負債」と「金融資産から株式を除いたもの」はバランスします何しろ簿記上では、金融負債と金融資産は、同時に発生して同時に消えるのですから。代表的な例だと、借金したときに借方に預金、貸方に借入金が同時に発生し、返済したときに消える、といったところでしょうか。

 

 

マクロでは、実物資産と純資産がバランスする

・バランスシートの恒等式「金融資産+実物資産=金融負債+純資産」

・マクロでは「金融負債」と「金融資産から株式を除いたもの」がバランスする

ここから、マクロに考えると

金融資産+実物資産=金融負債+純資産

の「金融負債」と「金融資産から株式を除いたもの」が相殺して、

実物資産+株式=純資産

となります。言い換えると、マクロでは、実物資産と株式の合計が純資産とバランスすることがわかります。

純資産って具体的にどんなものでしたっけ?純資産と言えば、株式会社であれば資本金などが含まれてます。純資産に含まれるのは、いわば”財務諸表上の情報”です。金融資産や金融負債と同様に、「実体」*1はありません。あくまで情報です。

我々家計の生活を実際に豊かにするのは実物資産ですし、企業が生産活動をするときも実物資産を使います。金融資産を使ったやり取りも当然ありますが、我々の生活水準と直接関係するのは、「実体」がある実物資産です。

金融資産は、それ自体が生活を豊かにしてくれるわけではありません。「いくら金持ってたって、使わなきゃ意味ない」ですから。

 

 

私たちの生活水準は、実物資産と費用の一部で決まっている

実物資産を生活感のある言い方に変換すると、お金以外の所有物といったところでしょうか。厳密には違いますが、言いたいことは分かりますよね?

ホームレスよりマイホームを持っている方が生活水準は高いといえます。実物資産が生活水準を作っているのです*2。マイホームは無いけどタワマンに住んでるぞ(ドヤァ)みたいなのは、家賃という費用によってその生活水準を達成しているわけです。拝金主義の世の中で生きていると、「収入が多い≒生活が豊か」みたいな感覚になりがちですが、冷静に考えると、「収入が多い→支出が多い→生活が豊か」なんですよね。

ただ、全ての費用が生活水準を維持・向上するわけではありません。例えば社会保険料や○○税は、生活を豊かにしてくれません。実物資産の場合も同様です。「バランスシートには載るけどほったらかしの実物資産」も存在することでしょう。

 

 

生産活動とは、付加価値の創造であり、実物資産と純資産を増加させる

付加価値は生産活動によって生まれます。生産とは、マクロで見たときの実物資産の増加であり、マクロで見たときの純資産の増加でもあります。当たり前に聞こえる内容かもしれませんが、敢えて、ここで簿記との対応関係をおさらいしておきます。

 

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生産活動が純資産と実物資産を増やすことの簿記っぽい表現

簡単のために、支払いはすべて現金で行われたことにします。また、α, β, γ, δ は金額を表します。

マクロでみると、A~Dを合わせたバランスシートは、実物資産と純資産の増加を示します(ただし、β-α‐γ>0 の場合)。

仮に β-α‐γ<0 だったときは、Aの生産活動が実物資産を減らしたということになります。消費者にとっては、Aは欲しいものを提供してくれる企業ですが、マクロでみると実物資産は減っています。簿記に現れる「実物資産」の額面は必ずしも生活水準の指標にはならないことが、理解できると思います。

 

消費とは、付加価値を減らす作業でもある

大したことは言っていませんが、言い回しが難しい。簿記との対応関係を見ておきます。

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消費が実物資産と純資産を減らすことを表す、簿記的表現

 

 

消費こそが、資産・負債・純資産・費用・収益の概念を作る

消費と生産はニコイチの概念です。消費があるから生産できる、生産があるから消費できる。ここまでは文句ないですね?

生産とは何ですか?それは、付加価値をつけるための活動であり、実物資産を増やす活動であり、純資産を増やす活動でもあります。金融資産と金融負債は、究極的には実物資産との交換に紐づいています。費用は実物資産の消費で発生するし、収益は誰かの費用です。

消費こそが、資産・負債・純資産・費用・収益の概念を作るのです。

 

 

GDP=生産された付加価値の合計を表そうとする指標

GDP(国内総生産)は、「生産された付加価値の合計」を表現しようとしてつくられた指標です。。国内での生産活動の一番最初と消費段階を比べて、合計でどれだけの付加価値額があるか を見ようとします。まあ、GDP統計自体、生産された付加価値の合計を表す指標として、多くの課題を抱えていることは確かです。

GDPの対象になる取引を、”実体経済”と呼ぶこともあるようです。実体経済以外の取引(債券や株などの金融資産の売買)は、”金融経済”と呼ばれたり。まあ、両方とも、ふわっとした定義で使われる場合がほとんどですけど。私もよくわかってません。

 

 

政府が支出すると、実物資産と純資産が増える

まずはこちらの図をご覧ください。この図は、政府が発注&支出し民間が受注する際の、バランスシートの変化を示したものです。付加価値を作る仕事 (別の言い方をすると、GDPに含まれる仕事) を想定しており、債券の購入などは想定していません。

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(こちらの記事の、図1.1と同じものです。①政府から受注した企業だけの収益ではなく、その企業が原材料を購入した企業など、サプライチェーンの全ての民間企業をまとめて考えていること②簡単のために、民間企業の活動の費用で、国営公営のサービスを使わないという仮定していること に注意してください。)

政府の支出は、政府の借方に「資産と費用」、政府の貸方に「日銀当座預金」を発生させます。ここで、政府の貸方に発生する「日銀当座預金」は資産のマイナスです。資産を切り崩して、別の資産あるいは費用になった、ということです。

政府の借方に発生した「資産と費用」はいったい何を意味するのでしょうか。政府の借方に発生する資産とは、例えば新しい道路や橋、新しいダムや防波堤、国立○○の建物などです。生産したサービスそのものでもあります。普通これらは実物資産であり、国民の生活水準を向上します。政府の借方に発生した費用とは、例えば公共事業を請け負った企業の従業員の給料や、医療費の補助・年金・研究開発費や公務員の給料などでしょうか。全額ではないものの、全体的に見れば政府の費用は国民の生活水準を維持・向上します。

 

政府の支出は、市中銀行を除く民間企業の総和の借方に「預金」、貸方に「収益」を発生させます。要は儲かるのです。

民間企業の儲けは、税金分を除き、いずれ誰かの家計の収益になります。家計の収益は費用・金融資産・実物資産になります。収益のほとんどが金融資産のままになる可能性はもちろんあります。費用または実物資産になった場合は、生活水準を維持・向上します。

 

マクロでは、実物資産と純資産はバランスします。そして、政府の支出はその一部が政府のバランスシートに実物資産を作ります。政府の支出によって実物資産が増えたのなら、純資産も同時に増えているはずです。政府の支出に伴って発生する純資産とは何か?それは、市中銀行を除く民間企業の「収益」から政府の「費用」を差し引いた部分です。

ただ、気を付けなくてはならないのは、実物資産の金額の大きさは、効用と比例するものではないということです。あくまで政府は公共のために働くという建前ですから、金額を気にするよりも、国民の生活水準向上の役に立つものをつくることが大切です。

 

 

政府の徴税は民間の金融資産を減らす

こちらの図をご覧ください。この図は、政府が税金を徴収する際の、バランスシートの変化を示したものです。

(こちらの記事の、図1.2と同じものです。①政府から受注した企業だけの収益ではなく、その企業が原材料を購入した企業など、サプライチェーンの全ての民間企業をまとめて考えていること②簡単のために、民間企業の活動の費用で、国営公営のサービスを使わないという仮定していること に注意してください。)

税金の徴収は、政府の借方に「日銀当座預金」、政府の貸方に「税金」を発生させます。ここで、政府の貸方に発生する「税金」は収益です。政府は実物資産も費用も増やしていませんから、国民の生活に寄与していません。

 

税金の徴収は、市中銀行を除く民間企業の総和の借方に「税金」、貸方に「預金」を発生させます。借方の「税金」は、生活水準を向上しない部類の費用です。

 

結果、税金の徴収は、国民の生活水準に寄与しません。実物資産の増減は無く、生活水準を維持・向上しない類の費用だけが発生します。

費用分=税金分 の金融資産が民間企業から消え、同額の金融資産が政府に発生します。マクロで見れば、金融資産も増減がありません。(マクロでの、純資産と実物資産のバランスが再現されます。)

実物資産は減らなかった。特に害はない。一見そのように感じますが、実はそうでもありません。すべての場面で当てはまるわけではないですが、一般に、家計の金融資産の減少は、将来にわたって消費を減らす傾向にあります。

消費が減れば、生産活動する理由が弱くなります。消費が減れば、生産される付加価値の総量が少なくなります。これは、実物資産の蓄積が抑制されることを意味します。

だからと言って、税金は無い方が良いというわけではありません。税金の存在意義については、MMTで詳しく議論されています。また、こちらの記事で簡潔にまとめてくださった方もいらっしゃいます。

 

 

政府支出の増加と財政赤字GDP成長を促す

政府の財政赤字は、民間部門または海外部門の純収益を生み出します。純収益の増加は支出の増加を促す要因の一つです。また、政府支出はGDPの一部であり、

政府支出の増加→GDPに加算されるサービスのやり取りの増加

です。

「政府支出」と「GDP」の関係を、「政府支出ー税収」と「GDP」の関係よりも重視するのは、政府支出の一部が実物資産を生み出すのに対し、徴税が実物資産を増減しないから、ではないでしょうか?

知らんけど。

 

 

実物資産の増加が、生産力(またの名を供給力)を増加させる

もしも、舗装された広い道路が無かったら。もしも人類が電力を使えなかったら。もしも水道が整備されていなかったら。我々は今と同じ生産力を持った社会をつくれたでしょうか?代替手段があれば話は別ですが、基本的にはあり得ないですよね?どんなに知識や能力がある人間であっても、すでにある実物資産なしでは、現代のサービスの生産力の再現はほぼ不可能です。

実物資産の蓄積は、間違いなく生産力を増加させます。そして前述の通り、政府の支出は、その一部が実物資産を増やします。もちろん、民間企業の需要も、実物資産を増やします。

ちなみに、「資本主義」という言葉はまさにこの現象を前提としたイデオロギーです。資本主義における資本とは、生産に必要なリソースのことで、知識や設備や人材や資源などのことです。生産に必要なリソース=資本を大事にすることで、労働者一人当たりの生産力を増やしていこうという考え方こそ、資本主義と言えると思います。

 

 

政府の支出は民間の需要も増やす

政府の赤字は民間の黒字です。政府支出はそれ自体が需要であると同時に、政府支出によって収入を得た民間部門が支出を増やします。なにしろ、「人間の欲望に際限は無い」のです。

 

庶民が金持ちになれば消費は増えます。一方で、よく聞くことの一つに、「ある程度以上の収入になると、消費は増えなくなる」という話があります。なぜだか分かりますか?大金叩いてでも欲しい魅力的なサービスが、それ以上無いからですね。なぜ魅力的なサービスが無いのか?考えられそうな理由は

「金持ちの割合が少ないと、いかに金持ち相手のサービスと言えども、ビジネスとして採算が取れない」

「技術的・生産力的に考えて無理」

といったところでしょうか。なぜこの2つが考えられそうなのかというと、歴史がそれを示しているからです。現代日本人の中流階級は、中世ヨーロッパの貴族・王族よりも豊かな暮らしをしているといわれています。中世の金持ちは、いくら金を持っていても現代の日本人より貧しかったのです。なぜ現代の日本人の方が(少なくとも物質的に)豊かな暮らしができるのかというと

「生産力が上がったおかげで、購買力を基準にして考えた時、みんなが金持ちになった」

「技術やインフラへの投資の蓄積の成果として、実物資産が量・質ともに向上し、人材さえあればより良いサービスの生産が可能になった」

からでしょう。私にはそれ以外の理由が考えられません。

 

 

政府支出の増加が国民の生活水準を向上する理由

・政府の支出の一部は実物資産を増やす

・実物資産の増加(例えば道路整備)が生産力を高める

・政府の支出は民間の収入を増やし、間接的に民間の支出も増やす

この3点を抑えると、「政府支出の増加が国民の生活水準を向上する理由」が分かります。政府は、国内の需要と供給力を伸ばすために自身の支出を使うことができるのです。また、技術や科学への投資も、その多くが政府の仕事であり、長期的には供給力の増加と生活水準の向上に寄与します。

 

少しでも素早く実物資産を増やすにはどうすれば?

少しでも素早く民間の需要を増やすにはどうすれば?

政府が必要と思われるところに渋らずに支出し、実物資産を蓄積&費用を増加し、民間の需要と供給力を増やせば良いのです。問題が発生しない範囲において、できるだけ支出を増やせばよいのです。どんなときに問題が発生するのでしょうか?それは、「需要が供給力に対して大きすぎて、政府が支出を増やすと民間へのサービスの供給が不足する場合」です。そのような場合には、政府が支出を減らしたり、所得増税によって民間の支出を抑えるなど、時と場合に応じた対応が必要になります。

 

 

政府の支出に対する制約

こちらの記事で主張する通り、日本の政府は、国債を発行することによって、何もないところから支出を増やすことができます。政府の支出が多すぎて問題になるのは、需要が供給を大きく上回るときです。モノ・サービス不足ゆえに、高インフレになったり、生産者が極度の人手不足に陥ったりします。

政府の支出の制約は生産力です。政府と民間の需要が生産力を大きく上回ると、民間が欲しいものを買えなるからです。

時間とともに実物資産を蓄積し、人材が育ち、投資の成果が表れると、生産力(供給力と言い換えても良い)は上昇します。そうすれば、政府の支出をさらに増やしつつ、民間の需要も増やせるようになります。実物資産の蓄積が加速→生産力の向上が加速→需要の拡大を加速できるようになる。需要の拡大を加速→実物資産に蓄積がさらに加速→...............

結果的に、経済成長する国は、GDPを指数関数的に伸ばしてきました(前期の何倍ずつ増加すると、それは指数関数的な増加になります)。なぜ指数関数的な拡大が起こったのかについては、複雑系の科学などから、一定の説明を試みる動きがありますが、厳密な理由はまだ誰も知らないといったところではないでしょうか。

 

 

最後に

政府支出の増加がGDPを拡大する理由の一端を説明してきました。ですが、以上の内容をもって、ソ連のような計画経済が良いと言うつもりは全くありません。民間部門に任せて市場競争を強く取り入れた方が良い分野と、政府主導の公共事業の方が良い分野が、それぞれ存在する、というだけの話です。私自身は、政府が全て仕切るのも、政府が何もしないのも、どちらもよくないと思っています。

最後にGDPという指標そのものにケチをつけておきます。GDPには、家事や費用の発生しないボランティア活動などが含まれません。家事が下手な家庭と家事上手な家庭の間に、生活水準に違いは無いのでしょうか?多分違いますよね。加えて、同じ実質GDPであっても、高品質なサービスがやり取りされている場合と低品質なサービスがやり取りされている場合とでは、生活水準に差があります。そもそも、価値と価格は比例しませんし、価格という一元的な指標で価値を表現できるはずがありませんから、GDPを生活水準の指標として使うのはいかがなものか?という思いもあります。

一人当たりのGDPは、あくまで「マシな指標」であって、正確に生活水準を表現しているわけではありません。

世界は、一言で説明できるほどシンプルではないのです。残念。

 

 

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*1:ネット上のサービスは実体ないぞ!みたいな揚げ足取りはご遠慮願います。Netflixも実体あるサービスと考えてください。

*2:持ち家に帰属する家賃という謎概念があったりしますが、今回はあまり深く考えなくてOK

民主主義の本質ってこんな感じか?

民主主義を、構成員の全員の意思をできるだけ政治に反映させようという思想だと定義する。多数決を民主主義と定義することもできるが、共和制と区別しづらいことに加え、なぜ多数決を採用するのか?を問うと同じところに行きつくと思ったからだ。

民主主義を実現するためには、構成員の希望がバラバラでは困る。誰かを立てたときにほかの大半が犠牲になるなら、それこそ民主主義の思想に反する。

民主主義を体現するためには、似た価値観や思想を持つ人たちで集まって共同体をつくらなければならない。共産主義者全体主義者と民主主義者と共和主義者をごちゃまぜにしたら、ろくなことにならないに決まっている。

 

 

価値観がそっくりな人たちを集めると、性格が偏るだけならまだしも、能力や暮らしぶりまで偏ってしまう。人の価値観は、生まれ持った体質や才能、経験した環境に強く依存する。そうすると、似た価値観の持ち主は似たことが得意という話になる。似た人ばかりが集まってよそとの交流を絶つと、コミュニティー全体が機能不全に陥る。


似た人同士で集まって小さいコミュニティーを作り、よそのコミュニティーとも共通する価値観ではつながる。というのが現実的だ。そして、異なるコミュニティー同士の交流を絶やしてはいけない。「国交断絶」は「脱北」の自由を奪う。


世の中には、「仕事と私、どっちが大事なの!」なんて言う女性が存在するらしい。正直に仕事と答える愛すべきバカはどれくらいいるのかな?だれか調査してないだろうか?...........ンなことはどうでもいい。とにかく、仕事の方が大事な集団と彼女の方が大事な集団は、交流を持ちつつ別の場所で暮らすこととなる。(※あくまで概念の説明です。)民間企業は共有したいとの共通の望みがあれば、一緒にサービスを作り、運営し、消費するだろう。異文化交流もそこそこ行われてほしい。

さらには、仕事派と彼女派のほかに、友達派もいるらしい。3つがそろって軍事的に協力し、外敵から身を守っているとのうわさ。

 


日本の東京都市圏が比較的これに近いことをしている(○○区によって特色が出る)し、アメリカの合衆国という制度も同じような思想だと思う。東京都市圏やアメリカ合衆国が理想的な民主主義を実現しているわけではないが(むしろひどい?)、民主主義を実現するための必要条件の一つを体現しているのではなかろうか。民主主義とは、基本的人権とやらの平等を保障することではない。同じ価値観や要求を持つ者同士でまとまり、いくつもの層でつながることだ。最も大きなまとまりの動機が軍事とインフラになることは確かだろう。

クドリャフカの順番、回ってきました。じゃなくて、面白かった。しかも、えげつなかった。

かんそーぶん

 

クドリャフカが地球を眼下に命を絶ったのと同様、里志は彼らしくもなく抱いた”自身への期待”を裏切られ、思い出す。

「データベースは結論を出せないんだ」

 

 

「集客のための八百長だと気付かず河内先輩と口論する伊原」という構図が、「ボディートークよりつまらない漫画しか描けない伊原」と対応関係にあるのだろうか。ボディートークを描ける河内先輩なら、湯浅部長と協力して伊原を操るのも朝飯前。その河内先輩すら、素人の安城が原作を描いた「夕べには骸に」を見て、似非快楽主義の里志並みにこじらせることに。そんで、「結論を出せない」里志は、伊原に対して「こればっかりは摩耶花にもわかるまいね」と言い放つ。エグイな。

 


陸山に対する田名辺の期待と、陸山が安城の原作を読んでいなかったと知った田名辺の絶望も。

フィルターバブルを乗りこなす?検索エンジン「SearX」のすすめ

この記事を読む方は、SearXと呼ばれる検索エンジンが存在することはご存じでしょう。

 

SearXはオープンソースで開発されている検索エンジンで、Google, Bing, yahoo, DuckDuckGo, Wikipediaなどの複数の検索エンジンを使って、結果を表示する、メタ検索エンジンなるものらしいです。

 

メタ検索エンジンは、フィルターバブル対策に使えるのではないか?

これが、この記事の問題意識です。GoogleGoogle社がGoogle社の立場や思想を反映したアルゴリズムを作ります。BingはMicrosoftDuckDuckGoはどこか知らないですけど。運営する団体が見せたい情報が検索結果に反映される以上、それが言論統制に該当しないモノであっても、フィルターバブルにほかなりません。

この記事では、半ば無理やり、SearXを「検索エンジンを作った団体によるフィルターバブル」を突破するために使う方法を探ります。(結論から申し上げますと、バージョンと設定次第で、そこそこの精度を備えつつ、他のどの検索エンジンとも似ていない検索結果を返すSearXをつくることができました。)

 

SearXは、おそらく複数の開発グループ(あるいは個人?)が、個別に開発しているようで、複数のバージョンが存在します。こちらのリンクにまとめられています。

searx.space

 

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URLの列に並ぶリンクを踏むと、例えばこんなページに遷移します。どのURLを選ぶかによって、細かいデザインは違います。

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SearXの検索結果は、例えば下のような画面になります。(設定、あるいはバージョン次第では、何もヒットしないかもしれません。設定に問題がある場合は、設定をいじればまともに動くようになります。設定を工夫しても、どうにもならないバージョンも、あると思います。)

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緑のURLの右にStartpageとかduckduckgoとか書かれていますよね。どの検索エンジンからの情報なのかを表すと思いきや、必ずしもそうではないようです。とはいえ、それなりの関係はありました。

 

SearXでは、右上に「設定」があります。ここをクリックすると、SearXの設定をカスタマイズができるページに遷移します。設定画面で「検索エンジン」を選んで、「許可する」の列をいじり、ページの下の「保存」をクリックすると、設定が変わり、同じ検索ワードでも検索結果が変わります。

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SearXの設定は、ユーザーのブラウザのCookieに保存されるため、Cookieを削除したり削除する設定にしていたりすると、設定が飛ぶようです。

 

フィルターバブル対策として、どのバージョンのSearXを使うのか、検索エンジンの設定はどうするのか、その提案を、ここから行います。もしよければ、「どのバージョンを使うのか」「設定でどの検索エンジンを選ぶのか」を決める際の参考にしてください。

設定でどの検索エンジンをオンにするかの判断基準は、こちらの記事を参考にしつつ、できるだけ多様な情報が検索結果に反映されるように意識しました。多様な情報を拾おうとするほど検索の精度は下がった気がします。あと、検索エンジンを、例えばGoogleだけ選んで設定しても、SearX(検索エンジンGoogleだけ選択)とGoogleで違う結果が返ってくることがよくあります。理由は知りません。アルゴリズム作った人に聞いてほしい。

下のすべての提案は、言語選択で日本語を選んでいます。

 

 

提案①

SearXのURL:https://searx.be

設定でオンにする検索エンジン:bing, duckduckgo, startpage, wikipedia, yahoo

 

提案②

SearXのURL:https://searx.tunkki.xyz/searx/

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, wikidata, duckduckgo, google, yahoo

 

提案③

SearXのURL:https://searx.info

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, wikidata, duckduckgo google, startpage, yahoo

 

提案④

SearXのURL:https://searx.tuxcloud.net

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, wikidata, duckduckgo, google, metager, startpage, yahoo

このバージョンは、デフォルトの設定も良い感じ。

 

提案⑤

SearXのURL:https://searx.zackptg5.com

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, wikidata, duckduckgo, google, yahoo

 

提案⑥

SearXのURL:https://searx.rasp.fr

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, duckduckgo, startpage, yahoo

 

提案⑦

SearXのURL:https://searx.sp-codes.de

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, wikidata, duckduckgo, qwant, startpage, yahoo

 

提案⑧

SearXのURL:https://searx.rasp.fr/search

設定でオンにする検索エンジンwikipedia, bing, duckduckgo, metager, startpage, yahoo

 

 

「p値の確率分布」から分かること。公表バイアスの認知。

 

帰無仮説が正しければ、p値の確率分布は一定である

同じ母集団からランダムにサンプルを選び、2つの群を作ったとする。2つの群には、厳密にはサンプルが異なることのほかに、違いを設けない。

このとき、 (p値の意味を理解されている方なら納得していただけるだろうが)、p値の確率分布は0から1の間で一定である。有意水準をp=0.05に定めたならば、5%の確率で有意差を示す。

したがって、「統計的検定を用いるすべての研究が、帰無仮説が正しい場合を扱っていた」と仮定すると、我々が目にする論文に記載されるp値の確率分布は、慣習的に用いられる有意水準p=0.05以下で、一定値をとるはずだ。慣習的に用いられる有意水準p=0.05よりも大きいp値を報告する論文は、表舞台には出てきにくいだろうから、一定値をとると予想されるp値の確率分布の範囲は、あくまでp<0.05の範囲に限定する。

慣習的な有意水準の前後で発表されやすさが変わらないという仮定の下、シミュレーションしてみた。するとやはり、帰無仮説が正しい場合のp値の確率分布を模した折れ線グラフは、一定の値を示した。細かいことを言えば一定ではないが、シミュレーション上どうしても発生する類の誤差だ。気にしないでほしい。

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帰無仮説が正しい時の、p値の確率分布のシミュレーション結果

シミュレーションはPythonで行った。コードは注釈*1にて。 

 

 

効果量が0ではない時の、p値の確率分布

現実的には、統計的検定を用いるほぼすべての研究で、異なる群は何かしら異なる実験条件を伴う。したがって、p値の確率分布は0に偏った分布になりそうだ。解析的な解き方が分からなかったので、シミュレーションして折れ線グラフにしてみた。

・効果量を標準偏差の1/10

・2群のサンプル数がともに100

・2群の標準偏差は等しい

と仮定すると、p値の確率分布は大体こうなる。

f:id:rokaboNatttsu:20210705070611p:plain

シミュレーションはPythonで行った。コードは注釈*2

解析的な解き方が分からなかったので、止む無くシミュレーションして折れ線グラフをプロットした。大体の傾向はこれでも十分わかるだろう。

効果量をもっと大きくして、p値の確率分布がどう変わるか見ておく。

・効果量を標準偏差1/2

・2群のサンプル数がともに100

・2群の標準偏差は等しい

ときの、p値の確率分布は、大体こんな感じ。

f:id:rokaboNatttsu:20210705070731p:plain

シミュレーションはPythonで行った。コードは注釈*3

効果量が大きくなれば、p値は小さくなる。当然の結果が確認された。

 

 

続いて、効果量も一定ではなく確率分布させてみた。効果量xが確率分布2exp(-x/0.5)に従って出現すると仮定。効果量の確率分布は、プロットするとこうなる。

f:id:rokaboNatttsu:20210630114405p:plain

横軸=効果量、縦軸=確率

 

このとき、

・効果量xを確率分布2exp(-x/0.5)

・2群のサンプル数がともに100

・2群の標準偏差は等しい

として、p値の確率分布はおおむね以下の通り。

f:id:rokaboNatttsu:20210705070859p:plain

シミュレーションはPythonで行った。コードは注釈*4

効果量が0ではない時、p値の確率分布は0に偏ることを見てきた。

p値のどの水準で有意差を定義していたとしても、効果量が0ではない研究では、p値の確率分布が0に偏る現象は残るはずだ。

 

 

我々の目に届く論文は、どのようなp値の確率分布をとるのだろうか

実際に発表されている論文では、p値は0に偏って分布しているのだろうか?効果量が0ではない事象を多く扱っていれば、p値は0に偏って分布するはずだ。

あるいは一様に分布しているのだろうか?効果量が0の事象ばかりを扱っていれば、p値は一定の確率分布を示すはずだ。

 

 

datacolada.org

同じような問題意識を持つ同士は大抵どこかに居るものだ。この記事は、「複数の分野において、p値が0.05より少し小さいところで、その近辺のp値をとる頻度が不自然に増える様子」を説明する。報告されたp値は、0の方に偏って分布している。そして、まるでp値が0.05を下回るように操作されたかのような、不自然な確率分布を示すのである。不正の存在の証拠に見えなくもないが、実際はデータを改ざんしたのではなく、p値が0.05を下回るようにデータを「分類」した痕跡ではなかろうか(主観)。年齢は調節したか?期間はそろえたか?.....無意識のうちに誘惑につられて、論文が掲載されやすくなるように有意差を作ってしまったとしても、なにも不思議ではない。研究者の世界は厳しいのだ。

 

止めは、こちらの論文。

journals.plos.org

私自身、説明できるほど理解していないので、申し訳ないが、詳しいことを知りたい方は各自読んでほしい。Fig 3.あたりから特に。

 

 

公表バイアスは存在する。見えるモノ・見せられたモノだけではなく、見えないモノをも意識したいものだ。

 

 

 

 

またいつか。

*1:

f:id:rokaboNatttsu:20210704141247p:plain

f:id:rokaboNatttsu:20210705070458p:plain

*2:

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*3:

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*4:

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多様性とは一体???多様性が大事とは???

昨今、多様性が大事だとの声をよく聞く。「そういう時代」なのだそうだ。なぜ多様性が大事なのかと聞くと、生産性が上がるからとか、倫理道徳の発露だとか、グローバル化時代への適応だとか、よくわからないことを言う。いくら聞きただしても、だれも因果関係を説明してくれない。仕方がないから、少しだけ自分で考えてみた。

 

まず、思考するときに必要な手続きをとろう。言葉の定義だ。

「多様性」とは何か?

とても抽象的な言葉だ。ばらつきを表す言葉である。「○○の多様性」と言えば、何でもそれっぽく聞こえる。肌の色の多様性、マナーの多様性、政治思想の多様性、宗教の多様性、文化の多様性、収入の多様性、労働条件の多様性、能力の多様性、言葉の多様性、住所の多様性、性格の多様性、性愛の多様性、治安の多様性、義務の多様性、権利の多様性、食の好みの多様性、法律の多様性、.............何でもありだ。さらには、同じコミュニティーの中にいる人間が多様なのか、性質の異なるコミュニティーが無数にあるという意味の多様性なのか、誰も教えてくれない。多様性が大事だと言ってる連中で、これらを細かく区別してる人を見たことが無い。多様だから良いというスローガンは、どう考えても思考停止している。

どうやら、言葉の定義を考える人があまりにも少ないことが、多様性賛美の源泉だったようだ。道理でテレビ崇拝者は多様性を賛美するわけだ。

 

まず、同じコミュニティーの内部で「必要な多様性」「あった方が良い多様性」「有っても無くても、何方でも良い多様性」「あると害になる多様性」「成立しない多様性」に分類する。分類対象は、

肌の色・マナー・政治思想・宗教・文化・収入・労働条件・能力・公用語・住所・性格・性愛・治安・義務・基本的人権・食の好み・法律

とする。もちろん他にもいくらでもサンプルはある。分類は私の主観だ。

 

「必要な多様性」

能力・住所・性格・労働条件・義務

能力が多様じゃなきゃ、協力して生活することはできませんよね。すべての専門職をこなせる人なんていません。能力の多様性は必要です。同じ理由で、労働条件も多様でないとね。職種によって適した労働環境は違う。住所や性格も義務も同様。

 

「あった方が良い多様性」

文化・収入・食の好み

文化は多様じゃないと、面白くない。収入が多様じゃないと、仕事のやる気が出ない。でも、文化が多様過ぎると「あいつのことは分からない」「あいつとは共感できない」って類の弊害が強くなる。収入も同じく。多様性はほどほどに。過ぎたるは及ばざるがごとし。

 

「有っても無くても、何方でも良い多様性」

肌の色・性愛

まぁ、反論はないかな。

 

「あると害になる多様性」

マナー・政治思想・宗教・公用語・治安・基本的人権

マナーの多様性は、もはやマナーではない(笑)。皆がお互いの振る舞いへの不満を我慢しなければいけなくなる。政治思想が多様だと、すぐ革命がおこる。常に政情不安。宗教も、国内で多様だとすぐ対立する。公用語が多様だと、ひたすら不便。治安が多様だったら、オシャンティーな通りの1本横がスラム街。良いわけあるか!基本的人権に多様性があったら、皇帝と貴族と平民と奴隷と、あとは家畜かな?無い方が良いでしょう。

 

「成立しない多様性」

法律

法律の多様性って何とかのパラドックスみたいだ。ここでは俺が法律だ!

 

 

 

「生産性を上げるためには多様性が重要だ」は解像度が低すぎる。

言葉が通じなかったらアイデアが伝わらないし

政治思想やマナーが違ったら仲良くなりずらい

でも、多様性が全て悪いわけじゃなくて、

能力や認知は多様じゃないと  1+1<2  になる。

 

 

 

 

 

最低でもこの記事程度の解像度をもって、多様性の影響を議論してほしいものです。まあ、何も考えず何も意見しないという選択もありなのかな?思考停止は基本的人権に含まれていますからね。

日銀(と政府)による、国債の利回りと価格・無担保コールレート・レポ金利への影響について(仮)。

※編集中。間違ってる部分も多いと思う。勉強しつつブラッシュアップしている途中。売買の市場か貸し借りの市場か、何と何を取引する市場なのか、○○金利はそれぞれ何にかかる金利なのか、いろいろ勉強することはある。

 

#編集用メモ:101のミッチェルの自己資本比率の記事とか読む。リーディングリストに入れてる。自己資本比率関係は、たぶん、かなり重要

#編集用メモ:額面通りに取引される新規発行の市場と、二次市場?の両方に言及

 

国債の価格と利回りの決まり方は、我々のような金融の素人を相手にシンプルな説明をしようとすると、余計によく分からなくなる類の話題だと思う。そこで、この記事では、あえて複雑な説明を試みる。シンプルさを捨て、詳しさを選ぶ。対象となるのは、「分からないことがあればググる手間を惜しまない、金融の素人」である。現代貨幣理論をある程度理解していれば尚良い。

 

 

前提知識の整理

語句

償還期限

債権の元本が戻ってくる期日のこと。国債の償還期限とは、国債がその額面の日本円と交換される期日のこと。

 

国債市場

国債が流通する市場は2種類ある。国債が新規発行される市場と、発行済みの国債が取引される市場だ。上場企業の株式と似ている。

新規発行される市場では、国債の買い注文が多いほど、国債の価格が上がる。逆に、国債の買い注文が少ないほど、国債の価格は下がる。

発行済みの国債が取引される市場でも同様に、国債の買い注文が多い時ほど、国債の価格が上がる。逆に、国債の売り注文が多い時ほど、国債の価格は下がる。

 

表面利率

国債そのものの金利は、表面利率(クーポンレート)と呼ばれる。表面利率の単位は(%)。

表面利率は国債を発行するときの国債市場の情勢に即して決めている、だそうだ。

国債の表面利率(利率、クーポンレート)はどのようにして決まるのでしょうか : 財務省

国債には短期国債と長期国債がある。短期国債の表面利率は、市場で額面と同じ価格で売買される水準を予測してつけるようだ。長期国債の利回りは、短期国債の利回りを参考基準にしつつ、将来にわたるインフレ率の予想やリスクプレミアムなども含まれるようだ。利回りとは何か?次の節で言及する。

 

国債の価格と金利の決まり方

国債の価格は、国債が流通する市場で決まる。国債の額面と償還期限は、あらかじめ決まっている。表面利率は政府(おそらく財務省)が決める。国債の利回りは、国債の価格・国債の額面・償還期限までの時間・表面利率によって決まる。

 

国債の価格は、国債市場において売り注文が多いと下がり、買い注文が多いと上がる。

国債の利回りは、国債市場において売り注文が多いと上がり、買い注文が多いと下がる。

 

意味合いがわかりやすい形の数式で、利回りの決まり方を表すと、

f:id:rokaboNatttsu:20210610160407p:plain
となる。この式は、「国債の利回り」という言葉の意味でもある。

 

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の部分が、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき、手に入れることができる利息(円) を表す。

 

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は、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき得られる、国債の額面と価格の差からくる利益(円) を表す。

 

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は、国債を買って償還期限まで持ち続けたとき手に入る、国債の購入に使った金額1円当たりの利益(円)を表す。元手の何倍の利益が得られるかだ。100を掛けると、元手の何%の利益が得られるかを表す。

 

国債の価格が利回りに与える影響がわかりやすい形で、国債の利回りを表現すると、

f:id:rokaboNatttsu:20210610160210p:plain

となる。

 

「利回り」の意味を言葉で説明すると以下のようになる。

国債をその価格で買って償還期限まで保有したとき、国債の購入に使った元手に何%の利息が付いたときと同じリターンになるか」を表すのが国債の利回りだ。価格と額面が同じだったとしたら、国債の利回りは表面利率と同じになる。

「インフレ率の予想やリスクプレミアムは、どこに?」と思ったあなた、鋭い。そういった数々の要素を加味して、国債の表面金利や利回りが決まっているので、問題ないのだ。数学チックに表せば、国債の表面金利=F(インフレ率の予想, リスクプレミアム, ,,,,,,)  国債の利回り=G(インフレ率の予想, リスクプレミアム, ,,,,,,)。

 

準備預金制度

民間銀行が、個人や企業を相手に発行する預金の金額の一定の割合を、中央銀行である日銀の口座に預けることを定めた制度。 準備預金制度 - Wikipedia

ただ、現状は、有名無実化していると言って良い。金本位制時代の遺物ともいう。

日銀の口座の預金は「日銀当座預金」と呼ばれる。原則無利子で、金融機関同士の決済などに使われる。

 

超過準備

準備預金制度で定められた金額以上の日銀当座預金保有している場合、保有義務がない金額分の日銀当座預金を、超過準備と呼ぶ。準備預金の超過だから超過準備、ってことかな。覚えやすい。

マイナス金利政策ってのは、この超過準備の一部にマイナスの金利をかける政策だと思ってれば、多分正しい。

 

貸出約定平均金利

銀行や信用金庫が個人や企業に資金を貸し出す際の金利を平均したもの。金融業界人ではない我々に直接影響を与える金利はこれ。

 

補完当座預金制度

超過準備に一定の金利をつける制度。2022年1月現在、多くの金融機関が、準備預金制度で定められた準備預金の残高=法定準備預金額を上回る準備預金を保有することが不通である。超過準備に一定の金利を付け、短期市場金利が特定の範囲内で推移するように、ある程度誘導している。

 

日銀をめぐる、社会的な関係性について

銀行と中央銀行の関係について

我々民間人が民間銀行に口座を持って、「お金を預け」たり「お金を借り」たり「振りこみ」したりする。同様に、銀行・信用金庫・証券会社などの金融機関や政府は、日本銀行に口座を持っており、お互いに「お金を預け」たり「お金を借り」たり「振りこみ」したりしている。日銀の口座に預けられた当座預金を、日銀当座預金あるいは準備預金と呼ぶ(これ以降、日銀当座預金でなるべく統一する)。個人や金融機関ではない企業は、日銀に口座を持つことはできない。持つ必要もないし。

日銀はその業務の一部として、政府や金融機関の間の決済の仕事をしている。

 

銀行間の振り込みと、銀行間決済

A銀行の口座からB銀行の口座への送金は、A銀行の負債がB銀行に移ったことを意味する。そのままではB銀行は損でしかないので、A銀行に対して決済を求める。この決済には、日銀当座預金が使われる。

 

国債保有インセンティブ

民間銀行は普通、準備預金制度で定められた以上の金額の日銀当座預金(=超過準備) を持つとき、金利が付く国債などの債権を購入しようとする。少しでも金利収入を増やしたいからだ。超過準備の一部を使って、他の民間銀行・政府・日銀が持つ国債を、市場で購入する。

 

国内でクーデターや戦争でもない限り、日本国債がデフォルトすることは無い

デフォルトってワードを使う人なら百も承知の内容かな?

デフォルトという単語は、日本語だと債務不履行と呼ばれることも多い。素人向けの詐欺師が使う言葉だと、財政破綻とか国債暴落とか、そんな言葉を使われることが多いかも。

日本国債がデフォルトしない理由は、私は、一言では説明できない。

強いて一言で述べるなら、かなり不正確だけど、「日銀が買うし、借換えもするから、デフォルトしない」かな?簿記の勉強をしたことがある方なら、こちらの記事を読んでいただければ、ある程度理解できるはず。簿記の勉強したことがある方は、そもそも知ってる内容かな?

デフォルトするシナリオは他にもある。固定為替相場制を無理して維持した場合や、一定レートで通貨交換する約束とセットで国債を発行した場合は、政治的な理由によりデフォルトを選択することがある。外貨建て国債を発行した場合も、デフォルトする可能性がある。デフォルトの可能性と理由については、分かりにくいが、こちらの記事で触れてた。今の日本は変動為替相場制を採用しているし、外貨建て国債を発行してもいない。

「日銀が債務超過になって破綻する」みたいなのも嘘だゾ。

 

日銀と財政周りの決済

日銀は、財政支出や徴税に必要な決済も担当する。いや、日銀の株式の55%を財務省かどこかが持っているので、日銀は政府の一部ともいえるのだが、そこは解釈次第。

財政支出や徴税では、税を支払う民間の経済主体・民間銀行・日銀・政府の4者が関係者となる。どのような取引をするのか、複式簿記のようにして表現した記事をリンクしておく。

rokabonatttsu.hatenablog.com

 

 

市場、金利

短期市場金利

短期市場金利は、金融機関(と政府?)が参加して資金取引が行われている市場の金利。貸し借りの期間は1年以内。

コールレート、レポレート、コマーシャル・ペーパー発行レート、譲渡性預金金利国庫短期証券利回り、銀行間取引金利などの総称。

 

無担保コールレート(オーバーナイト金利

無担保で準備預金を貸し借りする市場=無担保コール市場において、貸し付ける預金の金利を、無担保コールレートと呼ぶ。普通は翌日、あるいは一周間以内の短期の貸借が対象。

 

レポ金利

現金担保付きの債券貸借取引をレポ取引と呼び、レポ取引が行われる市場をレポ市場とよぶ。

債券の借り手は借入れ債券に対する債券貸借料を支払い、債券の貸し手(担保金の受け手)は担保金に対する金利を支払う。

担保金金利と債券貸借料との差額の金利をレポ金利と呼ぶ。

レポ金利 = (担保金金利) ー (債券貸借料)

多くの場合、レポ金利は0以上らしい。(レポ取引は、一時的に現金が欲しい金融機関が、手元の債権を貸し出す代わりに受け取る担保金(=日銀当座預金)で資金繰りするのだろうか。担保金を受け取るほうが立場が弱いことが、レポ金利が0以上になりやすいことの理由なのかもしれない。知らんけど。)

国債限定のレポ市場もあるのか?あるとしたら、下限は超過準備にかかる金利、上限は日銀が提供するレポ金利が適応されると予想される。

 

#預金金利・貸付金利 といった言葉を使うのをやめ、置き換える 補完預金制度で超過準備につく金利にいい感じのネーミングを施す。「超過準備預金金利」でいいのか?量的緩和の有無で各種金利・利回りの大小関係が変わることも分かるように書き直す

オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか? : 日本銀行 Bank of Japan で公開市場操作がまとめられている。

無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか? 資金過不足とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan で、無担保コールレートの歴史と性質がまとめられている。超過準備につく金利が無担保コールレートの下限、保管貸付制度で提供される貸付の金利が上限。

量的緩和後の金利の関係について、米国の事情ではあるが言及した内容が

FRBの利上げについて基本的な仕組みを理解する(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース

米利上げでも金融環境はあまり引き締まらない可能性 | 三井住友DSアセットマネジメント

どちらも、下に書いた内容と明らかに矛盾する。量的緩和以前と以後で事情が変わっている場合、どちらも網羅した内容に書き直したい

 

日銀(と政府)による、金利・利回りのコントロール

ここからのまとめは、以下のリンクなどが主な情報源だ。

オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか? : 日本銀行 Bank of Japan

無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか? 資金過不足とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

 

金利や利回りの上限・下限という言い方をするが、通常の状態だと上限、通常の状態だと下限、という意味だと思ってほしい。そこから絶対に外れないという意味ではない。

金利や利回りの共通する上下要因は、準備預金が不足気味か飽和気味かである。準備預金を欲しがる金融機関が少ないときは金利や利回りは軒並み下がり、準備預金を欲しがる金融機関が多いときは、金利や利回りが軒並み上がる。という傾向があるはず。

日銀による、金融機関の持つ準備預金の総量や国債の総量を左右する手段

日銀によるオペレーションはこちらの日銀のページにまとめられている。

www.boj.or.jp

資金供給オペレーション

民間の金融機関に準備預金を増やし、国債を吸収する手段には、

国債買入(国債を買って準備預金を提供する)

国債買現先オペ(期日で国債を売り戻すことを条件に、国債を買って準備預金を提供する)

 

資金吸収オペレーション

民間の金融機関に準備預金を減らし、国債を放出する手段は、

国債売現先オペ(期日で国債を買い戻すことを条件に、国債を売って準備預金を吸収する)

 

政府(財務省)による、金融機関の持つ準備預金の総量や国債の総量を左右する手段

政府は財政支出によって準備預金と国債を供給し、徴税によって準備預金や国債を吸収する。説明はこちらの記事に任せる。複式簿記がわかる方用の記事だから、お勧めするには少し後ろめたいのである。

rokabonatttsu.hatenablog.com

 

 

無担保コールレート

金融機関は準備金調達のために、無担保コール市場だけでなくレポ市場や国債の売買の市場も選べるので、無担保コール金利はレポ金利国債の利回りともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。

需要と供給

無担保コールレートは、無担保コール市場で貸し手として参入する金融機関が増えるほど下がり、市場に借り手として参入する金融機関が増えるほど上がる傾向にある。市場で金利が高いと貸したい金融機関が相対的に増え、金利が低いと借りたい金融機関が相対的に増える。需要と供給の関係だ。

民間の金融機関に準備預金があふれている場合、借り手が減って貸し手が増えるので、無担保コールレートは下がる。民間の金融機関に準備預金が不足している場合、借り手が増えて貸し手が減るので、無担保コールレートは上がる。レポ金利国債の利回りが相対的に低い時も、無担保コールレートは下がりやすいはず(今から調べる)。レポ金利国債の利回りが相対的に高い時も、無担保コールレートは上がりやすいはず(今から調べる)。

 

上限

日銀は、金融機関に対して、補完貸付制度の下で一定の金利で準備預金の貸し付けに応じている。準備預金が一時的に必要な金融機関は、準備預金の調達手段として無担保コール市場を使うこともあるが、日銀が応じる貸付よりも高い金利を支払ってまで、ほかの金融機関から借りる理由はないため、日銀による無担保の貸し付けの金利が、無担保コールレートの上限になる。

 

下限

補完当座預金制度によって、超過準備に0ではない金利がついている。超過準備の金利は、無担保コールレートの事実上の下限となる。超過準備をそのまま持ち続けたほうが金利収入が大きくなるなら、無担保コール市場に貸し手として参加するメリットがなくなる(し、もし仮に無担保コール金利が超過準備にかかる金利より低い場合、無担保コール市場の借り手として参入してでも超過準備を持ち続けるほうが、金利収入が増える)からだ。

 

レポ金利

無担保で資金を貸し出すのは、それなりにリスクも伴う場合もあるだろう。担保になる債権とトレードする形で準備預金を取引する、いわゆるレポ市場についてすこしだけ触れる。金融機関は準備金調達のために、レポ市場だけでなく無担保コール市場国債の売買の市場も選べるので、レポ金利は無担保コールレート国債の利回りともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。

需要と供給

レポ市場には、一時的に準備預金を必要とする金融機関と、準備預金の貸し付けで金利収入を得たい金融機関が参加する。レポ金利は、普通0以上らしい(0を切るとちょっとしたニュースになる程度か?)。担保になる債権の種類次第で、準備預金の貸付に応じたり応じなかったりする金融機関もあるはずだ。私は確かめていない(今調べている)が、国債限定のレポ市場は多分ある。

レポ金利は、準備預金を貸す金融機関が多いほど低くなり、債権を貸す金融機関が多いほど高くなる。

民間の金融機関に準備預金があふれている場合、レポ金利は下がる傾向にあり、民間の金融機関に準備預金が不足している場合、レポ金利は上がる傾向にあるはずだ。無担保コールレート国債の利回りが相対的に低い時も、レポ金利は下がりやすいはず(今から調べる)。無担保コールレート国債の利回りが相対的に高い時も、レポ金利は上がりやすいはず(今から調べる)。

 

上限

pass

 

下限

pass

 

国債の利回り

金融機関は準備金調達のために、国債市場だけでなくレポ市場や無担保コール市場も選べるので、国債市場はレポ金利や無担保コール金利ともある程度連動すると考えられる(まだ確かめてない)。

需要と供給

国債の利回りは、国債市場で国債を売って準備預金を得たい金融機関が多いほど上がり、国債を買って金利収入を得たい金融機関が多いほど下がる。(国債の価格は、国債を買いたい金融機関が多いほど上がり、売りたい金融機関が多いほど下がる。利回りと逆。)

民間の金融機関に準備預金があふれている場合、国債の利回りは下がる傾向にあり、民間の金融機関に準備預金が不足している場合、国債の利回りは上がる傾向にあるはずだ。無担保コールレートやレポ金利が相対的に低い時も、国債の利回りは下がりやすいはず(今から調べる)。無担保コールレートやレポ金利が相対的に高い時も、国債の利回りは上がりやすいはず(今から調べる)。

 

上限

国債が担保のレポ金利は、

・日銀が国債買現先オペを始めた場合

・日銀が国債買入を始めた場合

頭打ちになる。日銀が国債買現先オペや国債買入を始めたら、金融機関が保有する準備預金の総量が増え、準備金を調達した金融機関が減り、国債の利回りは下がる。

 

下限

国債が担保のレポ金利は、

・日銀が国債売現先オペを始めた場合

・利回りが超過準備にかかる金利に等しくなったとき

が下限になる。日銀が国債売現先オペを始めると、金融機関が保有する準備預金の総量が減り、準備金を調達した金融機関が増え、利回りは上がりやすいはずだ。また、超過準備にかかる金利よりも利回りが低いと、国債市場で国債を買うメリットがなくなるからだ。

 

 

GDP成長率と政府支出(あるいは財政支出)増加率の相関の解釈について

2022/10/13 改修

この記事はPCで読まれることを想定しています。

 

  • GDP成長率と政府支出の増加率の相関図(not 前年比)
    • ①おそらく日本で最初に日の目を浴びた図
    • IMFページからのデータで自作した図
    • ③ 出典が優良記事だと思う
  • 政府支出(あるいは財政支出)の増加はGDPの増加の原因ではない、という主張について
  • 政府支出の増加がGDPの増加に寄与する理由
    • 理由1:GDP成長→政府の収入増加→政府の支出増加 では因果関係の説明には不十分
      • 日本にとって、税収→財政支出 は間接的な因果関係
      • 政府支出→税収の因果関係もある
      • 財政支出/GDP=Constant になるように政府は支出を調節していない
    • 理由2:インフラや技術への投資がGDP成長に与える効果は、現れるまでに時間がかかる
    • 理由3:因果関係が複雑である以上、前年比のデータで相関が消え、長期間の前後のデータで相関が現れる現象は、よく起こる。
      • 前年比のデータは、政府支出の増加率とGDP成長率の関係に大きなノイズを乗せる
      • 景気が悪くなった年は、政府は支出を増やす傾向にある。
      • 政府支出の増加がGDP成長と関係ないとの主張はどの程度確かか?
      • 「政府需要と民間需要の増加率の相関関係が無い」と示す散布図、長期的な視点でとらえなおすと違う結論になる
    • 理由4:需要の増加→供給力の増加 という経験則
    • 理由5:税収と財政支出の増加は、所得再分配の機能を持つ傾向にあり、所得格差の縮小は消費需要の拡大につながる
    • 番外編:供給力がネックになっている、GDP成長→財政支出増加 という因果関係をあまり重視しない理由
  • まとめ
  • 関連記事
  • 最後に&注釈
続きを読む

ユリ熊嵐 作中の言葉の解釈の一部

取っ散らかっています。編集長不在でして。m(__)m

下に書くのはすべて、私の主観的解釈です。根拠を示せと言われると困る。

 

 

 

クマは自分の欲望を使って他人に押し付ける存在

透明とは、好き嫌いの感覚がない状態

 

クマに食われるとは、他人の欲望に振り回されたり、軋轢を経験すること

クマは自身の欲望を他人に押し付けることで空腹(=「空き」、スキの一側面)を満たす

 

集団の中で「スキをあきらめ」て忘れていくことで、何が好きだったのかを思い出せなくなる。この状態は透明と表現される

 

クマが透明ではない人を「おいしい」と感じるのはなぜ?わからん。

 

クマに食われる、すなわち他人からの欲望に利用されるのは、普通に鬱陶しいし面倒だから、人はマナーや空気を守ることによってクマを排除してきた。同時に、空気を守ることによって透明になってきた。

 

クマのスキ(=空き=渇き?)とは別に、その人自身の中で完結するタイプのスキ(=好き)もある。「好き」は、相手の承認なしに相手との関係を成就させることはない。

そして、「好き」は、透明な嵐の前に、もろい。同調圧力は、相手の承認を求める「好き」と対立関係にあるからだ。

空きは透明な嵐をものともしない。他人に欲望を押し付ける「空き」と同調圧力は相性が良いのだ。様々な種類の同調圧力の中には、特定の個人の欲望がそのまま表れる。

 

好き嫌いの感覚を失った状態を透明と呼ぶ。透明な人だらけの集団の中では、好きを維持することができない。


透明な嵐と断絶の壁は似た意味。

断絶の壁は、マナーや空気の象徴。他人からの欲望の押し付けを回避するためにつくられた。「我々が生きる現実の世界において、マナーや空気が押し付けをなくすことができない」のと同様に、「断絶の壁もまた、クマの侵入を食い止めることができない」。

透明な嵐は、いわゆる同調圧力の象徴。好き嫌いの感覚を失った人達(=透明な人達)が、何度も何度も同調を求める様子のメタファー。

 

「閉じられた世界」を断絶の壁の内部のことだと仮定すると、「閉じられた世界の秩序は透明な者たちが決める」とは、「空気が支配する集団の秩序は、好き嫌いを失った人たちが決める」くらいの意味になる。


好きは、透明な嵐ですり減らされて、やがて消えてしまう。消える前に、透明になるか、空きになるかの選択を迫られる。

好き=ユリ、空き=クマだとすると、ユリを承認するときに「人を食うか?」と問うのは、「純粋な好きをあきらめて空きを混ぜるのか?」と問うことである。

「好きを保つために、好きと空きを混ぜろ」と。「切ないけど現実的な落としどころを認めろ」と、「お前らの感情は綺麗なものばかりじゃないだろう」と、そういう話だったんじゃないかな?

タイトルがユリ&熊&嵐なのは、「好きと空きが混同した嵐を認めろ」「透明な嵐の代わりに使え」ってことなんじゃないかな。知らんけど。